H&Mは4月10日から、サステイナブル素材を使用した「コンシャス・コレクション」と「コンシャス・エクスクルーシブ」を発売する。同社はサステイナビリティ(持続可能性)をビジネスの中核をなす理念として位置付けており、ファッションの未来をよりサステイナブルなものとするすべての活動をコンシャス活動として重要視している。「コンシャス・コレクション」と「コンシャス・エクスクルーシブ」は、オーガニックコットンやリサイクルポリエステル、リサイクルレザーなど、サステイナブルな素材を使用したコレクションのこと。8日夜には、東京・表参道のバツ・アート・ギャラリーで両コレクションのローンチと、世界規模で行なっている古着回収の1周年を記念したパーティを開催する。
パーティと発売開始に先駆けて来日したカタリナ・ミッドバイH&Mファッション&サステナビリティコミュニケーション責任者(写真)は、「我々は90年代半ばからサステイナビリティに本格的に取り組み始め、化学品の使用削減や、工場の労働環境基準の整備や遵守など、サプライヤーのルールも作ってきた。とくに創業者の孫であるカール・ヨハン・パーション現CEOが経営陣になってからは、次世代に向けて長期的に取り組むべき課題としてコミットメントし、リソースも十分に確保されている。サステイナビリティが当たり前になることが我々の目標だ。私たちのお客さまはファッションを求めてこられる方々であり、ファッションをベースとしたサステイナビリティを付加価値として提案することで、将来的にも選ばれる企業・ブランドになっていきたい」と語る。
今回のコレクションに使われたのは、オーガニックコットンを筆頭に、リサイクルコットンやリサイクルポリエステル、ビスコースの代替品として注目されるテンセルなど。さらに、オーガニックバンブーを使用しながらもソフトな肌触りを実現した"モノセル"も登場した。3年目となる「コンシャス・エクスクルーシブ」では、ドレスや装飾性の高いアイテム約30アイテムを展開する。「カースト制度の下、外で働けないインドの女性たちにオーダーした、ハンドメイド刺繍によるジャケットなども登場。環境保全だけでなく、女性のエンパワーメントなど、人道的な面でもコンシャスな活動になっているアイテムもある」とミッドバイ責任者。
H&Mは現在、世界最大のオーガニックコットン使用企業で、使用コットンのうち10%程度がオーガニックコットンとなっている。殺虫剤などをほとんど使わないベターコットンを含める、現在使用するコットンの60%程度がサステイナブルコットンになっている。「2020年までに、すべてのコットンをベターコットンなどサステイナブルコットンに替えることが目的だ」と語る。