歌手サム・スミス(Sam Smith)の肖像画が、英国ロイヤルファミリー、トニー・ブレア(Tony Blair)元首相、エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)と並んでロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーに飾られることになった。
「GLORIA(2023)」と題されたこの作品は、フランス人アーティストのピエール・コモワ(Pierre Commoy)とジル・ブランシャール(Gilles Blanchard)によるアーティストデュオ、ピエール・エ・ジル(Pierre et Gilles)が手掛けた。「ロエベ(LOEWE)」のクリエィティブ・ディレクター、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)とスタイリストのベン・リアドン(Ben Reardon)がイメージした衣装を身にまとったスミスの姿が描かれている。
“歴史を作った人物たち”のセクションには、サラ・ジェーン・ムーン(Sarah Jane Moon)が描いた、活動家で「プライド イン ロンドン」の共同創設者であるピーター・タッチェル(Peter Tatchell)の肖像画や、ミッチェル(Mitchell)が米「ヴォーグ」2020年12月号の表紙用に撮影したハリー・スタイルズ(Harry Styles)のポートレート写真も展示されている。
制作はスミスのスタジオで行われ、セットと小道具はピエール・エ・ジルが担当した。手描きの肖像画の中で、スミスは金の聖人のような花輪の冠りと天使の羽のついた白いトーガを身に付け、金の縁飾りのついたハープを持ち、2本のギリシャ風円柱に囲まれた白い台座の上に座っている。
「何年もの間、ピエール・エ・ジルの美しい仕事に心を奪われていた。彼らの素晴らしい肖像画、例えばジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)やマーク・アーモンド(Marc Almond)を描いた作品は非常にアイコニックで、彼らに描かれるのはまさに夢のようだ。アンダーソンとルックを通して再び仕事ができたことも素晴らしい経験だった」とスミスは語る。さらに、「私にとってアートをサポートすることは重要で、ナショナル・ポートレート・ギャラリーから作品を貸して欲しいと連絡が来たとき、とてもうれしかった。彼らの新しいセクションに展示されることを光栄に思う」と付け加えた。
3月に行われたパリ・ファッション・ウイークで、スミスはランウエイデビューを果たした。「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(ANDREAS KRONTHALER FOR VIVIENNE WESTWOOD)」のルネッサンスにインスパイアされたコレクションから、2つのドラマチックなルックを着用した。