J.フロント リテイリングは4日、スーパーマーケットの子会社ピーコックストアの全株式をイオンに譲渡すると発表した。譲渡価格は約300億円。大丸ピーコックや松坂屋ストアを前身にするピーコックストアは、首都圏・関西・中部地区に83店運営しているが、食品スーパーを取り巻く競合は厳しく、業績悪化を余儀なくされてきた。同社の2012年2月期の業績は売上高が1126億円(前期比95.0%)、純損失が37億円で二期連続の最終赤字だった。J.フロントは大丸と松坂屋を中心に、M&Aによって雑貨専門店のプラザ、ファッションビルのパルコを傘下に収めて総合流通グループへの転換を進めてきたが、スーパーマーケット事業からは撤退し、百貨店その他の事業に経営資源を集中させる。