ファッション
特集 2024-25年秋冬オートクチュール 第1回

クチュールの概念を押し広げる実験的アプローチ

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クチュールの概念を押し広げる実験的アプローチ

2024-25年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイークが6月24〜27日に開催された。今季は「ヴァレンティノ(VALENTINO)」や「フェンディ(FENDI)」が発表を見送ったため、いつもよりラインアップは控えめ。しかし、年1回のみ発表するデムナ(Demna)による「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や、「クレージュ(COURREGES)」を手掛けるニコラス・デ・フェリーチェ(Nicolas Di Felice)をゲストデザイナーに迎えた「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」など、実験的なアプローチでクチュールの概念を押し広げる独創的なクリエイションが輝いた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年8月5&12日合併号からの抜粋です)

「バレンシアガ(BALENCIAGA)」

創業者のデザインとデムナの美学が融合

着目したのは、創業者による1950〜60年代のデザインを特徴付けるコクーンシルエット、七分袖、帽子、素材の革新という4つのコード。そこに、ゴスやスケーターなどデムナの美学に影響を与えたサブカルチャーの要素を掛け合わせた。主軸は、オーバーサイズのストリートウエア。中にスキューバ素材風のサテンをボンディングし、構築的に仕上げているのが特徴だ。腰にデニムジャケットを巻き付けたようなハイブリッドジーンズや片側がラップデザインになったナイロンパーカからも、シルエットへのこだわりが見て取れる。クチュールの常識にとらわれないアイデアや装飾の技法も引き続き顕著だ。

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