ビギ(BIGI)は稲葉賀惠(85)によるウィメンズブランド「ヨシエ イナバ(YOSHIE INABA)」を2024年秋冬シーズンで終了する。
1981年に誕生した同ブランドは、当初から「美しさと心地よさにこだわり、トレンドを意識しながらもそれに流されない定番の服」をコンセプトに、ベーシックで上質なウエアを販売し、多くのファンを得てきた。
「元気には過ごしては居りますものの、満足のいくパフォーマンスが望めないことも出て参り、大変難しい決断ではありましたが、本年をもちましてブランドを終了することにいたしました」と稲葉。現在28店を構えるが、25年2月までに順次閉店する。
ラストコレクションとなる24年秋冬シーズンは、ロロ・ピアーナの生地を使った軽く柔らかなヘリンボーンジャケットや、洗練と遊び心を感じさせるレオパード柄のシルクのブラウスなど、「ヨシエ イナバ」らしいタイムレスに着られる上質さと気やすさを存分に詰め込んでいる。
稲葉は1939年、東京生まれ。63年に原のぶ子アカデミー洋裁学園を卒業した翌年、オートクチュール制作のためのアトリエを開く。70年には大楠祐二ら4人と共にビギを創業し、ブランド「ビギ」を発足した。72年にウィメンズブランド「モガ(MOGA)」、81年に自身の名を冠した「ヨシエ イナバ」をスタート。JR西日本の寝台列車「トワイライトエクスプレス 瑞風」の車内クルー制服など、企業ユニフォームのデザインも多数手掛けてきた。