J.フロント リテイリングの2016年2月期決算は、売上高が1兆1635億(前期比101.2%)、営業利益480億円(同113.9%)、経常利益479億円(同118.4%)、純利益263億円(同131.8%)の増収増益だった。増収は4年連続、営業増益は6年連続。中核会社の大丸松坂屋百貨店は売上高6775億円(同100.9%)、営業利益261億円(同130.0%)、経常利益244億円(同133.0%)、純利益107億円(同90.0%)だった。百貨店のインバウンドによる免税売上高は338億円(同123.4%)と過去最高を更新し、売上高全体のシェアも前期の2.3%から5.0%に拡大した。
山本良一・社長は「今期は営業利益500億円(同104.1%)を達成し、7年連続の増益を目指したい。来年、消費税が10%になる前提で施策を打っている。中間層の節約志向はさらに強まるだろう。これからは富裕層への対応だけではなく、中間層に対するひと工夫が必要になる。幅広い客層に支持してもらうために、世界のマーケットで広がりつつある"アクセシブル ラグジュアリー(手の届くラグジュアリー)"を伸ばしていきたい。『トリーバーチ(TORY BURCH)』や『マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)』などのカテゴリーは、百貨店が得意とするジャンルだ。富裕層がラグジュアリー系ブランドから買いやすい価格帯にシフトしてきた時にも支えてくれるはず」と話した。今期は売上高1兆1750億円(同101.0%)、経常利益480億円(同100.2%)、純利益280億円(同106.4%)を見込む。