J.フロントリテイリングは25日、次期社長に山本良一・取締役兼大丸松坂屋百貨店社長(61)が4月1日付で就任するトップ人事を発表した。茶村俊一・社長(67)は代表権のある会長に就き、奥田務・会長兼CEO(最高経営責任者、73)は代表権のない取締役相談役に退く。同社は2014年2月期を最終年度とする中期経営計画を進めているが、その達成に一定のメドがついたことから次期中期計画の策定・実行を新体制に託す。奥田会長が兼任してきたCEO職は設けない考え。
奥田会長は1997年に大丸の社長に就任したのち、07年には松坂屋と統合してJ.フロントを設立。大丸で高効率の運営モデルを確立するとともに、百貨店業界再編の引き金を引くなど、辣腕をふるってきた。統合から5年を経て現体制が軌道に乗ったことからCEO職の必要性が無くなったと判断し、後継者に道を譲る。大丸松坂屋百貨店の次期社長には好本達也・取締役兼執行役員経営企画室長が昇格する。