J.フロント リテイリングの2015年2月期連結決算は、売上高1兆1495億円(前期比100.3%)、営業利益420億円(同100.7%)、経常利益404億円(同99.8%)、純利益199億円(同63.1%)の増収増益だった。純利益の減益については、前期決算でピーコックストアの売却益を計上していたため。3年連続の増収、5年連続の営業増益で、過去最高益を更新した。
大丸、松坂屋などの百貨店事業は、売上高7598億円(同98.8%)、営業利益231億円(同100.6%)。松坂屋銀座店と松坂屋上野店南館の閉鎖の影響もあり、売上高は前期を下回った。パルコ事業は、売上高2742億円(同102.2%)、営業利益122億円(同102.0%)。福岡パルコの増床オープンや「パルコカード」会員の獲得強化により、前期を上回った。
大丸松坂屋百貨店のインバウンドによる免税売上高は150億円程度で、16年2月期は250億円程度を見込む。外商をはじめとする富裕層の購買は依然好調だったが、中間層および若年層の消費はふるわず、ラグジュアリーを除く婦人服の売上高は97.8%と落ち込んだ。「ファストファッションの台頭や、若年層のファッション離れを危惧している。今後は地域の特色をより分析しながら、必要なカテゴリーを精査したい」と山本良一・社長。16年2月期は、売上高1兆1770億円(前期比102.4%)を見込む。