ロサンゼルス発のセレクトショップ、キットソン(KITSON)は12月10日、全事業を終了することを発表した。キットソン社はすでに米国にある17店舗と公式サイトの閉鎖作業を進めているという。ジェームズ・ウォン(James Wong)=キットソン チーフ・リストラクチャリング・オフィサーは売却について交渉中だと語った。
キットソンは2000年3月にビバリーヒルズに1号店をオープン以来、パリス・ヒルトン(Paris Hilton)やリンジー・ローハン(Lindsay Lohan)、ニコール・リッチー(Nicole Richie)など、多くのセレブに愛され人気を集めた。日本では伊藤忠商事とブランディング(BRANDING)が、キットソンのブランドのマネジメントやライセンス事業を手掛ける米クリエイティブ・ブランズ・グループ(CREATIVE BRANDS GROUP)と3社共同でキットソンの事業を展開。08年にブランディングの子会社としてキットソンジャパンを設立した。09年にルミネ新宿店に日本1号店をオープンし、スパンコールトートが大ヒットするなど話題を呼んだ。また、10年9月に日本初の路面店になった表参道店を開店したが、ブームの反動もあり、売り上げが減少。14年10月に社名をアルファ エッセ(ALPHA ESSE)に変更し、小売事業を終了させる一方、ヘアケア用品や雑貨などのライセンス事業に転換した。現在も商品を販売している。
米本国のキットソン社もここ数年業績が悪化しており、13年にサルース キャピタル(SALUS CAPITAL)から投資を受けた。また、15年6月に米雑貨店「スペンサー ギフト ショップス(SPENCER GIFT SHOPS)」を運営するスペンサー スピリット ホールディングス(SPENCER SPIRIT HOLDINGS)に株式を一部売却し、清算を回避する施策を打ったが、建て直しには至らなかった。