夏の盛りにお正月の話です。百貨店の正月営業の見直しが相次いでいます。
長らく百貨店は1月1日(元日)だけ休業にし、2日から初売り営業するのが常識でした。それが今年、松屋が旗艦店の銀座本店で元日・2日の2日間を休業にし、初売りを3日に遅らせました。来年の正月は高島屋と大丸松坂屋百貨店がこれに続きます(一部店舗除く)。元日・2日の2日間を休業にするのは、松屋が24年ぶり、高島屋が23年ぶり、大丸松坂屋が25年ぶりです。
3社はいずれも労働環境の改善を理由に挙げています。小売業は慢性的な人手不足。一般的な会社員であれば年末年始に1週間前後の休みがあるのに、百貨店やショッピングセンターの従業員は大晦日まで働き、元日だけ休んで、2日から出勤する。たとえ他のタイミングで休みが取れたとしても、年末年始に休めない労働環境は雇用の足枷になるでしょう。
消費環境も変化しています。かつて百貨店にとって正月の初売りは年間で最も稼ぐ日でした。各売り場では趣向をこらした福袋を用意し、また冬物衣料のクリアランスセールの初日でもあるため、お得な商品を目掛けて長い行列ができました。財布の紐はゆるみ、両手にたくさんの買い物袋を下げて帰るお客さんが多く見られました。
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