ファッション

ユナイテッドアローズ24年4~6月期、売上高10.4%増 値上げと訪日客が貢献

ユナイテッドアローズの2024年4~6月期連結業績は、売上高が前年同期比10.4%増の354億円、営業利益が同10.6%増の27億円だった。主力の「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS)」などのトレンドマーケットでは、商品の質を改善すると同時に販売価格を上げる価格戦略が奏功した。加えて、青山、渋谷、六本木、心斎橋エリアにおけるインバウンド売り上げの増加が貢献した。なお、コーエンの減損などを含む特別損失の増加に伴い純利益は同2.0%減の17億円で計画値はクリアした。

マーケット特性に応じた価格戦略が奏功

主力のトレンドマーケットではこの春夏、オリジナル品番の約30%で8〜10%値上げを実施した。より高級感のある色味への修正や下げ札のデザイン変更、コーディネートしやすい関連商品の企画といった包括的な質の改善が消費者に受け入れられ、客数は同4.5%増、客単価は同4.4%増と伸びた。秋冬はオリジナル品番の約20%で同様の上げ幅で計画している。

一方、手頃な価格帯を売りにしている「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(UNITED ARROWS GREEN LABEL RELAXING)」(以下、「GLR」)は、販売価格はそのままにプロパー販売率を向上させる戦略で、客単価は維持しつつ客数を同10.9%増と伸ばした。苦戦が続いていた「GLR」だが、タレントのMEGUMIを起用したテレビCMなどの大型プロモーションに手応えがあった。ウィメンズは既存店売上高が同23.6%増と大幅に伸長した。秋冬に向けては、ウィメンズの成功事例をメンズやキッズにも応用していく。

インバウンド売り上げは同63.3%増の13.2億円、構成比は4.0%だった。個人情報保護の観点から海外客のデジタル上での情報収集が難しいといい、そのため店頭では購買商品や金額などの履歴を手書きで残すといった施策を強化し顧客化を図る。また中国で普及している決済アプリ「アリペイ」の導入も検討中だ。

売上総利益率は54.7%で、前年同期に対し0.3ポイント減。ユナイテッドアローズで会員制度変更によりVIP会員が増え、セール需要が前倒しとなったことや、コーエンのセール拡大・在庫評価減が響いた。

「アティセッション」「コンテ」は9月に実店舗出店

9月には新規ブランドの実店舗出店も控える。9月12日には若者向けの「アティセッション(ATTISESSION)」の1号店をルミネ新宿 ルミネ2にオープン。辺見えみりをディレクターに起用した「コンテ(CONTE)」は6日に青山に路面店、12日にルミネ新宿 ルミネ1店をオープンする計画だ。松崎善則社長執行役員CEOは、「両ブランドとも先行販売の段階で、計画を大きく上回る結果が出せており、期待ができる。また新卒採用の面接では、新規ブランドへの配属を希望する学生も出てきた。そうしたことからも取り組みの成果が見えてきた」と手応えを語った。

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