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循環商社のエコミットがリユースに本腰 第1弾は「シロ」と協業、使用済み容器と衣類を回収

資源の循環サービスなどを運営する鹿児島のエコミット(ECOMMIT)が、業界の垣根を超えてリユースの取り組みを拡大する“リユースシフト”を立ち上げた。第1弾は、コスメティックブランドの「シロ(SHIRO)」と協業。実証試験として8月8日〜10月31日の期間、同ブランドの使用済みガラス容器1万本と衣類3万着を回収する。リユースしたアイテムは年内に、都内で開催するポップアップストアで販売する予定だ。

エコミットは「捨てない社会をかなえる」ことを目指し、モノが循環するインフラをビジネスで実現する“循環商社”として2008年に創業した。23年4月からは、全国7カ所にある自社の循環センターを活用した不要品の回収・選別、再流通を一気通貫で担うサービス「パスト」を展開。京王電鉄や郵便局、イオンモールなどが協業パートナーとして参画する。全国3000カ所に衣類や不用品の回収拠点を持ち、年間1万2000トンの回収が射程内に入ってきた。

「パスト」の取り組みが広がり、不要なものを気軽に手放しやすくなったが、「回収の容易さが逆に大量生産・大量消費を助長する可能性があると考えた。回収して単純に循環させるだけでは、廃棄の根本的な問題は解決できない。作るところから変えていかなければ」(川野輝之エコミットCEO)と奮い立ち、「パスト」のインフラを利用しながら、回収したものを再び商品や原材料として循環させる“リユースシフト”を始動した。「あらゆるものが循環できる仕組みを提供することで、モノ作り自体を変えていく役目を担える」と意気込む。

「シロ」との取り組みでは、ガラス容器を採用する8つのアイテム(フレグランスのオードパルファン、ボディーオイル、ヘアオイル、アロマオイル、フレグランスディフューザー、パフュームのディフューザーリキッド、ビネガーバスエッセンス、亜麻ネイルリムーバー)の使用済み容器を対象に、「シロ」の25店舗と参画企業が持つ全国約50〜100カ所の拠点、協力するブルーボトルコーヒー カフェ7店舗で回収する。衣類の回収は「シロ」の表参道本店やルクアイーレ店など全国7店舗で実施し、ブルーボトルコーヒーのコットン素材トートバッグも対象14店舗で回収する。利用者には「シロ」とブルーボトルコーヒーとブルーボトルコーヒー コーヒートラックで使用できる共通クーポン・限定アイテムを用意する。

化粧品容器のリユースに挑む

化粧品容器のリユースは、香りや油分が含まれる容器の洗浄や回収拠点、コストといった課題が多く、難しいとされてきた。今回の“リユースシフト”では、高度な洗びん技術を持つ企業とタッグを組むほか、循環の専門チームがコストメリットを出すことを検証する。「シロ」ではこれら実証試験の後に、プラスチック容器のリユースも目指しながら、将来的には“リユースショップ”の実現を計画する。

「シロ」では、発注などの関係で資材を余儀なく廃棄してきたが、「今年は捨てない」(今井浩恵シロ会長)と強く表明。全ての資源の価値を見つめ直し、本質的な循環のために廃棄物ゼロを目指している。「社会には多くのゴミ問題が存在しており、化粧品の回収だけでは解決することはできない。地球上のゴミの半分が衣類関連であると言われている中、私たちはこの課題にもコミットする。本気で挑みたい」と意欲を燃やす。

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