ファッション

サマソニ前夜祭「ソニックマニア 2024」で観ておきたい注目アーティスト6組

8月17、18日に千葉県の海浜幕張と大阪・万博記念公園で行われる日本最大級の都市型音楽フェス「サマーソニック 2024(SUMMER SONIC 2024)」。その前夜祭として16日の夜から17日朝にかけて幕張メッセで開催される予定の「ソニックマニア(SONICMANIA)」(以下、「ソニマニ」)には、アンダーワールド(UNDERWORLD)やサカナクション、フェニックス(PHOENIX)、メジャー・レイザー(MAJOR LAZER)といったアーティストが登場する。基本的にはどのアーティストを観ても楽しめるはずなので、今回あえてソニックステージとパシフィックステージを中心に、音楽ライターの和田信一郎(s.h.i)&編集部が今観ておきたいアーティスト6組をピックアップした。
※出演者や出演時刻は8月14日時点のものです。台風などの影響で変更の可能性もあるので、当日の出演者やタイムテーブルは公式サイトで要確認。

Young Fathers
21:20〜22:20@SONIC STAGE

ヤング・ファーザーズ(Young Fathers)は音楽的な豊かさと出演者としてのレア度では、今回の「ソニマニ」最大の目玉だろう。スコットランド出身のグループで、マッシヴ・アタック(Massive Attack)の系譜にあるUKベースミュージックを礎に、スーサイドのようなニューヨークの前衛ポップス、レゲエやエチオピアン・ジャズなど膨大な音楽的語彙を取り込む作風。最新作「Heavy Heavy」ではアフリカ音楽の要素が増え、ウガンダのレーベル「Nyege Nyege Tapes」にも共振する極上のダンスミュージックを生み出していた。というふうに述べると難しそうにもみえるが、切実な主張が圧倒的なエネルギーにつながるステージは理屈抜きに楽しめるものでもある。サカナクションとアルカ(ARCA)の真裏という厳しい時間帯だが、この機会にぜひ観てほしい。

長谷川白紙
23:05〜23:45@PACIFIC STAGE

フライング・ロータス(Flying Lotus)主催のレーベル「ブレインフィーダー」から先月末に傑作「魔法学校」をリリース、THE FIRST TAKEの素晴らしいパフォーマンスもあって急速に注目度を増している長谷川白紙は、サカナクションとアルカ(Arca)の双方から大きな影響を受けている。そうした意味において、「ソニマニ」というフェスの文脈を象徴し網羅するアーティストと言えるだろう。演奏表現力はもちろん、とにかく曲が良く、複雑ながら超キャッチーな音楽性は予備知識なしでも惹き込まれるはず。アンダーワールドの終盤とフェニックスの前半にかぶっているのが残念だが、まだ迷っている方はぜひ。演者もフロアも熱のこもったライブになるはずだ。

坂本慎太郎
25:10〜26:10@SONIC STAGE

坂本慎太郎は、元ゆらゆら帝国のギタリスト/ボーカリスト、という肩書きも不要なくらい優れた作品を連発し、バンド解散以来8年ぶりとなるライブ(2017年)を皮切りに、それ以前からは考えられないようなペースで活動を続けてきた。ソロ名義のライブは固定メンバーでのバンド編成で、独特のたわみと精密動作性を両立するアンサンブルは、サイケ版スティーリー・ダンとさえ言える至高の境地にある。脱力感と酩酊感を兼ね備えたグルーブ表現はジャンルを超えた最高級であり、これを深夜に体験できるのはこの上ないぜいたくだろう。参加客が踊り疲れてくる時間帯に登場するのも心憎い。単独公演は人気のためチケットを取るのが難しいので、観たことがない方はこのタイミングで観ることをおすすめする。

Nia Archives
25:30〜26:30@PACIFIC STAGE

ニア・アーカイヴス(Nia Archives)は、近年のUKクラブシーンを代表するジャマイカ系のDJ/シンガー・ソングライター。「ドラムが曲の中で大きなスペースを占めていてまるで心臓のようなもの」と言うように、どの曲もジャングル/ドラムンベースのビートが標準装備的に鳴り続けているのだが、レディオヘッド(Radiohead)やブラー(Blur)といった90年代ロックからの影響も大きく、全体として優れた個性が生まれている。レゲエのフィーリングを備えたボーカリストとしても非常に良い味があり、ダンスミュージックとしても歌ものとしても楽しめる。1stアルバム「Silence Is Loud」リリース後初めての来日ということもあって期待大だ。

千葉雄喜 -Shot Live-
27:00〜27:20@MOUNTAIN STAGE

10年代のラップミュージックを代表するアーティスト(エモラップやトラップメタル的な音像も網羅)となったKOHH名義での活動を2021年に終了、今年の2月に本名の千葉雄喜で「チーム友達」をリリース。6月末にリリースされたミーガン・ザ・スタリオンとの共演曲「MAMUSHI feat. YUKI CHIBA」(アメリカで大ヒット中)もあわせ、今年を代表する名曲を連発。パフォーマーとしてのすごさは健在だろう。なお、当初は千葉雄喜(この名義ではKOHH時代の曲はやらないと明言されている)のみで2:20~3:20の60分枠が用意されていたが、Shot Live(短時間のライブ)という表記どおり27:00~27:20の20分枠に変更。「チーム友達」にも参加していたYoung CocoとJin Doggが、それぞれ26:20〜26:40と26:40~27:00の20分枠で出演することが決定した。濃密なステージを期待していいだろう。

※KOHH時代の曲はやらないという宣言について
https://natalie.mu/music/news/573623

牛尾憲輔(OST Dance Set)
28:20〜29:00@PACIFIC STAGE

ソロユニットagraph(アグラフ)として電子音楽家のキャリアを築く一方で、2014年以降はアニメのサウンドトラック制作も開始。「聲の形」「リズと青い鳥」「平家物語」「天国大魔境」といった傑作群の表現に大きな貢献をしてきた牛尾憲輔は、名実共に今の日本を代表する劇伴作家の1人だろう。海外では既に「DEVILMAN crybaby」や「チェンソーマン」の曲を用いた単独公演も行っており、今回のOST Dance Setもその流れにあると思われる。高度なビートと卓越した音響構築、叙情と抽象のバランスが絶妙な楽曲群を大音量で浴びられるのはとても貴重な機会。28時20分スタートという時間帯はきついが(特に「サマソニ」初日に参加する場合は)、このためだけに参加しても損はないと思う。

■SONICMANIA(ソニックマニア)
日程:2024年8月16日
会場:幕張メッセ
開場/開演:開場19:00・開演 20:30
料金:スタンディングチケット 1万5000円
https://www.summersonic.com/sonicmania/

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