中国では未だに旅行は団体のツアーが主流だが、若い富裕層は個人で旅行するようになってきている。
調査会社によると個人で旅行する中国人は大卒の24〜45歳が多く、一都市における滞在期間が長いということだ。2012年の中国人の国外旅行人口は8300万人で彼らが国外で使った金額は総額1020億ドル(約10兆6080億円)。13年末までに、国外旅行者は1億人を超えると見られている。
中国国内における輸入品は高価なため、国外旅行する中国人の一番の目的は買い物だ。調査会社によると中国では消費税が45%、関税が65%。個人で旅行する中国人の約50%が1530ドル(約15万9100円)を1回の旅行で使うという。なかには、国外旅行で約1万ユーロ(約142万円)をラグジュアリーアイテムの買い物に使う者もいるそうだ。ここ3、4年、中国人の富裕層は国外に不動産を購入し、子供を欧米の学校へ通わせ、国外に住むケースが増えているという。
中国人の個人旅行の人気の目的地はアジアでは香港や韓国、タイなどで、北米ではニューヨーク、ロサンゼルス、ボストン、ハワイ、ヨーロッパではパリ、ロンドン、フランクフルトが人気だ。
個人旅行を好む中国人に対するラグジュアリーブランドのマーケティングはそう簡単ではなくなってきた。なぜなら、彼らの多くはブランドに対して意見を持っており、贔屓のブランドがすでにあるからだ。もちろん、中国に進出しているブランドの方が国外で中国人旅行者にアピールする可能性が高い。ワールド・ラグジュアリー・インデックス・チャイナ2013によると、中国で人気の高いラグジュアリーブランドは、第1位が「アウディ(Audi)」。ファッションでは5位に「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」、8 位に「ディオール(DIOR)」がランクインしている。