「地球温暖化」ではなく「地球沸騰化」という言葉まで叫ばれるようになった昨今、ファッション業界は「終わらない長い夏」と「始まらない短い冬」へのこれまで以上の対応を迫られている。「WWDJAPAN」8月19日号では、主要21ブランドへのアンケートと取材を通じ、「長い夏、短い冬」の新しい売り方や商品作りを探った。先行して一部の記事を公開する。(この記事は「WWDJAPAN」2024年8月19日号から抜粋です)
残暑の長期化が実感できるようになった10年ほど前から、ファッション業界はたとえばマスタードカラーに染めたリネンやハイゲージコットンのカーディガンなど「秋色、夏素材」な商品を8月上旬から9月に投入してきた。だが近年、この時期はまだ夏。各社は今を“秋冬商戦の開幕戦”ではなく“春夏商戦の延長戦”と捉え、ウィメンズなら引き続き半袖のワンピース、メンズなら接触冷感や吸水速乾などの機能素材で作るTシャツなどを投入。6月以降に投入したアイテムはセールにかけず、9月までプロパーで販売するブランドも少なくない。
10月ごろからようやく始まる秋については、これまでウール混としていたカーディガンをコットンやレーヨン混に改めたり、目が詰まったり裏起毛だったりのスエットを空気を含んだ軽いものに変えたりの商品企画が増えている。
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