日本人デザイナーの顔出しNG率は、世界的に見てもなぜか高い。デザイナーズブランドにとって、作り手自身の個性はファン獲得にもつながり、クリエイション一本勝負よりも間口は広がりそうなのに―そう考えた記者は、デザイナーを集めた座談会を実施。殿堂入り級の顔出しNG「シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)」からガードゆるめの顔出しNG「コウタ グシケン(KOTA GUSHIKEN)」、できれば顔出しNG「ミスターイット(MISTER IT.)」、新人顔出しNG「ユース オブ ザ ウォーター(YOUTH OF THE WATER)」という4タイプのデザイナーに、素顔を公開しない理由を真面目に聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年8月19日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
参加デザイナー
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「想像する余白ができる」
WWD:まずは顔出しNGの理由を教えてください。
具志堅幸太(以下、具志堅):この企画、僕たちをイジってません?
WWD:いいえ、真剣な企画です。
小塚信哉(以下、小塚):僕は、まず恥ずかしいから。ランウエイショーのフィナーレに登場するなんて自分には無理。それと、何ごとも知りすぎるのは良くないと考えているタイプなので、情報をある程度さえぎった方が、受け取り手が想像する余白ができると思ったので。
砂川卓也(以下、砂川):僕は完全にNGではないものの、積極的には出していません。理由は、自分をあまり“デザイナー”だと思っていないからかも。もともと職人気質なので、デザイナーとして前に出るのがしっくりこないというか。ただ、人と話すのは好きだし、気難しいと思われなくないのでデザイナーと名乗ってはいますけれど。
具志堅:僕も最初からNGではなかったんですよ。でも写真を撮られるのはずっと恥ずかしくて、撮影を一度お断りしたら意外とすんなり通ったんです。「あ、出なくてもいいんだ」となり、それから出さなくなりました。自分が作ったものやブランドの知名度が広がるとうれしいんですけど、僕自身が有名になりたいわけじゃないんです。
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