スポーツマーケティングの効果測定およびデータ分析を専門とするレロメトリクス(RELO METRICS)の調査によれば、パリオリンピックで最も高いソーシャルメディアバリューと認知度を獲得したのは、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)だった。
パリオリンピックは、7月26日から8月11日まで開催。今回の調査では、7月1日から8月13日までの期間、選手団のユニホームや公式ウエアをブランドが手掛けている国の選手やチームのほか、各ブランドが行ったSNSへの投稿を分析した。
首位はプレミアムパートナーのLVMH、2位と3位は?
首位となったLVMHは、プレミアムパートナーとしてパリオリンピック・パラリンピックに携わっており、大会の開幕前から大きな存在感を発揮した。傘下ブランドの「ショーメ(CHAUMET)」は、ジュエリーメゾンとして初めてオリンピックのメダルをデザイン。同じく傘下に持つ「ベルルッティ(BERLUTI)」はフランス代表選手団の公式服を、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」はメダルを乗せるトレーや、メダルの授与に関わるボランティアが着用するユニホームのデザインを手掛けた。また、「ディオール(DIOR)」は開会式に登場したレディー・ガガ(Lady Gaga)やセリーヌ・ディオン(Celine Dion)の衣装を提供している。なお、情報筋によれば、LVMHによるスポンサー費用は1億5000万ユーロ(約240億円)程度だという。
2位には、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」がランクイン。米国チームの公式ウエアを手掛けたほか、閉会式でパフォーマンスを披露したH.E.R.やビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)の衣装を担当している。
3位は、カナダ・バンクーバーを拠点とし、カナダチームの公式ウエアを手掛けた「ルルレモン(LULULEMON)」だった。
“ブランドコンテンツ ✕ アスリート”でバリューアップ!
レロメトリクスのジェイ・プラサド(Jay Prasad)最高経営責任者は、「パリ五輪では、これまで以上にアスリートらがブランドものを着用しており、各ブランドはSNSをフル活用してそれを発信した」と述べた。
なお、同社によれば、ブランドコンテンツのみの投稿と比べ、ブランドコンテンツと選手を結びつけた内容の投稿は平均で約21倍のソーシャルメディアバリューを獲得。また、LVMHは通常の投稿における平均的なソーシャルメディアバリューと比べ、パリ五輪に関連した投稿はおよそ17倍のバリューを創出したという。