「海外に比べて日本のアパレルのサステナビリティの取り組みは遅れている」は、ここ数年、各所で繰り返し聞いてきた耳タコな表現ですが、どうやらその様相が変わりつつあります。糸・生地方面の皆さんにヒアリングしたところ、2025年春夏物から環境配慮型素材の受注が明らかに増えているとのこと。特に上場アパレル、大手セレクトショップのオリジナルブランドからの発注や問い合わせが前年を上回る勢いだそう。サステナビリティ担当者としてはテンション爆上がりです。
理由はひとつではありません。たとえば、多くの上場企業が2030年を中間ゴールにサステナビリティ方針を打ち出しその期日が迫っていること、経済産業省が「繊維・アパレル産業における環境配慮情報開示ガイドライン」を発表するなど行政から産業への要請が高まっていること、素材・生地の選択肢が増えデザインに取り入れやすくなっていること、さらに「従来素材の1.3倍以上」と言われてきた環境配慮型素材の価格が下がり扱いやすくなっていることなど、多面的です。ネガティブに差し迫る一面もありますが、物事ってそうやって動くものですよね。株主からのプレッシャーや行政からの要請はこの際、「期待」の言葉に置き換えてポジティブにとらえましょう。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。