メンズ・ウィメンズのボーダーラインが曖昧になっているせいなのか、メンズの「終わらない夏、始まらない冬」対策にはウィメンズとの共通点が数多い。8〜9月にかけて投入する機能素材を使ったTシャツと、アウターの代わりに強化するセットアップはメンズならではだが、新たな素材を使った羽織ものやレイヤード提案、そしてシーズンテーマに頼らない売り場づくりはウィメンズとの共通項だ。各社メンズ業態の残暑・暖冬対策をまとめた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年8月19日号からの抜粋です)
メンズにおける「終わらない夏、始まらない冬」対策は、大きく分けて3つだ。
まず暑さ真っ盛りの8月は、もはや秋冬商戦のスタート時期ではなく、春夏商戦のラストスパートという考えが広がっている。このため接触冷感や吸水速乾、UVケア、防シワ、ウォッシャブル、さらには軽量やはっ水加工などの機能を備えたTシャツやイージーパンツを発売し、「今、すぐ着たい」という実需を狙うブランドが急増中だ。ここにプリントTやロゴT、ポロシャツ、シャツ生地のワイドパンツなどを加えてファッション性を高めたり、同じく機能素材を用いたジャケットやカーディガンも交えてセット販売を強化したりの工夫が進んでいる。
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シャツ地で作る“新・羽織もの”
コートの代わりにセットアップ提案
2つ目の対策は、シャツとカットソー(ロンT含む)の強化だ。従来、初秋はカーディガンなどが定番だったが、各社はシャツを“新・羽織もの”と定義して強化。「ナノ・ユニバース(NANO UNIVERSE)」では既に羽織りシャツが売れ筋だ。「マッキントッシュ フィロソフィー(MACKINTOSH PHILOSOPHY)」は9月を「シャツアイテムが羽織り需要で稼働するタイミング」として、「昨年よりも強化する」。ウール混からレーヨンまでのボタンダウンシャツなどを多様にそろえる予定だ。
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