しまむらは、社外取締役にワールドの寺井秀藏・会長を迎えると発表した。5月14日の株主総会を経て正式決定する。寺井氏は今月14日付で18年間就いていた社長の座を上山健二氏に譲り、代表権を持つ会長になったばかり。しまむらは近年、自主企画商品を強化しており、寺井氏のSPA(製造小売り)の知見を経営に活用する狙いとみられる。
これまでもアパレル小売業のトップ経験者が同業他社の社外取締役に就く事例はあった。良品計画は2002年にしまむらの中興の祖である藤原秀次郎・社長(当時)を社外取締役に迎えて情報システムや物流を強化し、「無印良品」の現在に至るV字成長の礎を作った。藤原氏を招へいした良品計画の松井忠三・会長は現在、アダストリアホールディングスの社外取締役を務めている。藤原氏、松井氏、寺井氏、アダストリアの福田三千男・会長は十数年前から、それぞれの夫人を交えた食事会を定期的に開くなど親密な関係で知られる。