ファッション

“大人の女性の背中を押してくれる服” 「サヴィル サヴィ」がデビュー

サヴィルサヴィー,SA VILLE / SA VIE

ファーイーストカンパニーは、新ウィメンズブランド「サヴィル サヴィ(SA VILLE / SA VIE)」をローンチする。「アナイ(ANAYI)」で16年ディレクターを務める片岡恵美子がクリエイションの指揮を執り、上質な素材使いとパターン、ディテールにこだわったコレクションを大人の女性に提案する。「サヴィル サヴィ」のファースト・コレクションについて片岡ディレクターに聞いた。

しなやかに自分に向き合う
女性たちに向けて

ブランド名の「サヴィル サヴィ」は、フランス語の「サ=彼女」、「ヴィル=街」、「ヴィ=人生」を組み合わせた造語だ。「彼女の街/彼女の人生」を意味する。

「価値観が多様化する中で、自分の個性も相手の個性も尊重することが自然にできる大人の女性たちに、“自分らしさが映える”と選んでもらえるようなコレクションを目指した」と片岡ディレクター。外からのノイズに惑わされることなく、自らの価値観でしなやかに人生という物語を紡ぐ女性たちを鼓舞し、寄り添うようなファッションの提案を目指す。

ファースト・コレクションは、シルエットが美しいテーラードジャケットや白シャツ、リバーコート、プリントワンピースなど、全55型。アイテムを厳選しつつも、レーストップスやアルパカのジレ、チュールワンピースなど、遊び心のあるスタイリングが楽しめるアイテムもそろえる。

イメージビジュアルは、巨匠ジャンルー・シーフの娘、ソニア・シーフが、“彼女の街で、彼女が選んだストーリー”をテーマに撮影。歴史あるパリの街を背景に、“静”と“動”、1人の女性の物語をモードに表現した。ヌーベルバーグ映画のワンシーンのような、美しい陰影が印象的だ。

素材と色を厳選
他ブランドとの組み合わせも前提に

メンズのテーラリングに使用される上質な生地やディテールを取り入れながらも、どのアイテムもカッティングやシルエットに女性らしさが漂う。

例えば、ジャケットはストレートラインより少しシェイプし、肩掛けした時にも型崩れせずに着こなせるように肩パッドの厚みや毛芯など細部までこだわって、美しいシルエットを実現。下襟と袖口裏に光沢感のあるウールシルク素材をあしらい、モード感とセンシュアルなムードを演出している。

軽く柔らかなメランジ素材のワンピースは、サイドにボーンを入れ、後ろ側にゴム、裏側にシリコンテープを施すなどの工夫を凝らし、1枚でも、薄手のインナーを合わせても着られる仕様に。胸元のあき加減にはとことんこだわり、品を保ちながら、着る人の魅力を引き出すラインを実現したという。

シルクツイルのブラウス生地は、イタリアのメーカーのアーカイブ資料から選んだ別注品。長めのボウタイはリボン結びや片リボンにしたり、首に巻いたり、垂らしたりでき、さまざまな表情を生み出す。

カラーはブラックとホワイトを基本色とし、シーズンごとに色を差し込んでいく。ファースト・コレクションではグレーを採用。ニュートラルカラーでミニマムにまとめた。「カラーは絞って展開したかった。他のブランドのものともスタイリングを楽しんでもらいたい」。

とはいえ、ブラックもホワイトも素材や染め方、濃度によって色の表情はさまざま。「素材の美しさが際立つように、色出しにもとことんこだわった」。

そして、素材はほとんどが日本製かヨーロッパ製だ。直接工場に赴き、アーカイブも参照しながら、別注でオリジナリティーの高い素材を採用している。「素材選びでは、軽さと構築的なフォルムが出ることを大事にしている」。

永続的に、心地よく着こなせることも重要

同時に、手入れの手間が少ないといった機能性も重視する。シグニチャーともいうべき白シャツには、国内のスピーマコットンにポリエステル・ポリウレタン混の高密度ツイル素材を採用。日焼けによる生地の黄変を極力抑えながら、シワになりにくく、洗濯して、ノーアイロンで着てもキレイに見えるハリも確保した。

「手元が美しいのがいいなと考え、カフスをダブルにして折り上げたりして、変化が楽しめるようにした」。襟も着脱可能で、外すとスタンドカラーになる。

「私自身、海外への出張が多く、服をパッキングする際は、やはりシワができにくいもので、カジュアルにも少しかしこまった場合も着られるものを選ぶ。シャツは大好きだが、ノーアイロンで着られたらうれしい。ラクに着られれば、それだけ多く着てもらえると思う」。

欧州のデザイナーズブランドと同等レベルの素材を使いつつ、ボディーは日本人およびアジア人に合うようにデザイン。アジア人特有の体形にフィットし、着やすさと、美しいシルエットを実現する。夏以外の3シーズン着られる汎用性の高さも意識したという。片岡ディレクター自身のこだわりと女性らしい気遣いのあるコレクションになっている。

単独展開を視野にトータルに提案

「サヴィル サヴィ」は、9月6日に関係者に披露された後、18〜24日に伊勢丹新宿本店と阪急うめだ本店にポップアップストアをオープン。25日から「アナイ」の全国厳選9店舗と公式オンラインサイトに特別スペースを設けて販売する。

ファースト・コレクションではアクセサリーは買い付けたものを用意する。シューズやバッグも買い付けや別注でそろえていく計画で、女性のワードローブをトータルに提案して、ブランドの世界観を表現。ゆくゆくは単独店での出店も視野に入れる。

「ブラック&ホワイトをベースに、ネイビーやベージュなど、毎シーズン違う色を取り入れて提案していく。モード感があって、女性らしさを引き出しつつ、着やすく、長く愛されるアイテムを作っていきたい」。

問い合わせ先
サヴィル サヴィ
03-5739-3421