ブルーボトルコーヒーは8月23日、豊洲ぐるりパーク内にある豊洲公園に「ブルーボトルコーヒー 豊洲パークカフェ」をオープンする。建物からオリジナルでデザインした初の店舗だ。
ブルーボトルコーヒーは現在、日本国内に27店を展開している。同社の出店戦略はユニークだ。「この場所でコーヒーを飲んだらどんな気持ちになるか」「そこで生活する人がブルーボトルをどのように利用するか」という想像からスタートする。「そこにブルーボトルコーヒーがあることが、そのエリアで生活を送る人への貢献につながる」と確信を持つことができたら、店前交通量といった出店条件チェックのステップに進む。
2021年4月、渋谷区立北谷公園にオープンした渋谷店は初の公園内店舗だった。このオープンを皮切りに、公園内での出店依頼が集まるようになる。公園内では2店舗目の出店場所として豊洲公園を選んだ理由を「海が近くにあり、開けた空間が広がっていて、空が広く夕陽がきれいに落ちる。そこに店があったら素敵な空間になると確信した。サッカーをする少年や犬を連れて散歩する人、お子さん連れの家族、オフィスワーカーなど、さまざまな目的でさまざまな人がこの公園に訪れる。彼らが集える場所として、個々人が好きなタイミングで好きなように時間を過ごしてくれたらうれしい」とBlue Bottle Coffee Japanの伊藤諒社長は話す。
今回は建築家の長坂常が内外装デザインを手掛けた。豊洲パークカフェが掲げる「ボーダレス」のテーマに沿って、公園と店の境を曖昧にした。ファサードは全てガラス張りとし、レンガが敷かれた店内の床を室外にも引き伸ばし、店と公園の空間をつなげている。天井や壁面の上部、テラス席のテーブルには障子のような素材の繊維強化プラスチック(FRP)を採用。外から入る光を柔らかく室内に届け、居心地の良い店内で外の様子の変化を感じられるようにした。
業界は関係なく哲学の共鳴を重視
ブルーボトルコーヒーは24年6月、フィンランドのデザインハウス「マリメッコ(MARIMEKKO)」とのコラボアイテムを発売。24年8月にはエコミットが掲げるコンセプト「REUSE SHIFT」に参画し、コスメティックブランド「シロ(SHIRO)」とリユースプロジェクトを実施することを発表した。
02年にアメリカ・カリフォルニアで創業した時から、同社はサステナビリティを重要視している。他業界とのコラボについて「掲げる哲学への共鳴が最も重要だ。今後も業界の括りにとらわれず、ファッションやビューティの企業やブランドとも積極的にコラボしたい」と話す。