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八芳園が半年の休館を経て来年10月に再オープン 業界御用達のイベント会場はどうなる?

ファッション&ビューティ業界のイベントやファッションショー、ガラディナーでもお馴染みの八芳園は22日、2025年2〜9月に全館休館して、同年10月1日にグランドオープンすると発表した。リニューアルテーマを「既存建物を次世代へとつなげる改修」、リニューアルコンセプトを「日本の、美意識の凝縮」とし、リニューアル後はブライダルとイベント、そしてフードの3事業を主力とする。

ファッション&ビューティ業界人に関係が深そうなイベント事業では、現在15ある会場を11に減らす代わりに数百人が収容できる空間を設ける。現在は150人以上で利用できる会場の空きが少ないことから、改修によりコロナ禍以降活性化&巨大化、中には長期化している各種イベントに対応したい考えだ。例えば5階は、黒を基調としたデザインで統一したフロア「スタジオ コク」に改装。ラウンジで153平方メートル、会場で371平方メートル、ロビーで125平方メートルの空間は、ラウンジだけで50人、会場を含めると420人以上を収容できるキャパシティで、20×7mの大型LEDビジョンモニターを備えることで様々なイベントに対応する。6階のバンケットホールは、バーと会場、ロビーで合計721平方メートル以上。5、6階を同時に利用すれば、数百人規模の着席ディナーも開催できそうだ。5、6階は挙式したカップルから法人まで、会員限定のクラブフロアとする予定で、プライベート感やエクスクルーシブ感を醸成する。

上層階には、大勢のゲストが移動しやすいようにエントランスから直通のエスカレーターを設置。フロアに入る前は、八芳園随一の眺めを誇るデッキスペースを新設し、上層階でも日本庭園を楽しむことができるという。八芳園は大人数を収容できる会場を増やすことで、挙式が多い週末を跨ぐ長期的なイベントも請け負いたい考え。ファッションやビューティ業界では、例えばハイジュエリーブランドは高額商品を特別感ある場所に1週間ほど展示して全国から顧客を招いて商談を開催しながら、毎夜プレスやゲストを招いてガラディナーを開催するようになっているが、こうしたニーズにも対応したい考えだ。既存の建物の利活用、日本文化の精神に基づいた環境配慮型の建築で、年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの状態を目指すZEB Oriented認証の取得を目指すことで、海外ラグジュアリーブランドがイベント会場にも課すサステナブルな姿勢に応える予定だ。

また、フード事業ではグランドオープンのタイミングで館内のメニューを全て刷新。ムスリム専用キッチンを設け、ムスリムフードの提供も可能にする。同じ白金・品川・高輪エリアの高輪ゲートウェイシティには、割烹と洋菓子店を設け、八芳園のフードを館外からも発信する。

設計などのデザインは、山崎健太郎デザインワークショップが手掛ける。

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