ファッション

オンワードグローバルファッション新社長にボルスの二村氏が就任

 オンワードグローバルファッション(OGF)はバスストップと9月1日付で合併した。同日付で、新社長には、ボルス・インターナショナルおよびボルス・1987の前社長の二村仁(ふたむらひとし)氏が就任した。石田博OGF社長は代表取締役会長に昇格した。オンワード樫山取締役専務執行役員営業本部長の兼務も続ける。

 存続会社になるOGFは現在、「ジル・サンダー」「ジル・サンダー ネイビー」「ソニア リキエル」「ソニア バイ ソニア リキエル」「ミッソーニ」「エム ミッソーニ」「ロシャス」の日本国内における直営店の運営および卸売を行っている。 一方、合併により名前が消えるバスストップは、セレクトショップのヴィア バス ストップの運営および「チャラヤン」「ロバート ゲラー」「ベルンハルト ウィルヘルム」「デヴァステ」の製造・販売を行ってきた。セレクトショップのヴィア バス ストップの店舗数は現在29 (うち、1店舗はアウトレット)となっている。

 二村新社長は、もともとバスストップの立ち上げ時から同社に関わり、アドバイスをしてきたという経緯がある。今回の就任について「新しいことができる可能性を感じた。デザイナーとの信頼関係があり、ショップもある。日本で商品を生産して世界へ発信できる。また、グループ傘下にシューズのイリス、ウエアのジボ・コー、ニットのエリカなどヨーロッパのファクトリーがあることも強みだ」と話す。さらに「百貨店や専門店は過渡期を迎えている。都内も地方もラインアップは変わらなくなっている。また、セレクトショップの利益の出し方に限界を感じている。インポート商材を客寄せに、トレンドを映したオリジナルブランドを売っていく方法でも難しい。ラグジュアリー・ブランド一筋でセレクトショップのボルス・1987を運営してきたが、近年特に苦戦している。一方で、中国や韓国のセレクトショップの買い付け額が大きくなり、勢いが増している。日本のパワーダウンは否めない。原点に立ち戻り、日本のショップ発信力を取り戻したい。だからこそ総合力のあるオンワードに可能性を感じた」と続ける。

 まず着手するのは、ヴィア バス ストップの南青山の旗艦店ペンデュールの見直しだ。「ずっと小売業をしてきたので、ショップを重要視している。今、ヴィア バス ストップは顔が見えてこない。創業時は"クール&モダン"をコンセプトに、当時無名だった『アレキサンダー マックイーン』『ヘルムートラング』『メゾン マルジェラ』『ヴィクター&ロルフ』などの新進ブランドの革新性を表現していた。まずはブランドを正しく表現し、バスストップの象徴的な店舗としていく。そのために買い付け商材が並ぶ2階の品ぞろえを見直すことから始める」。

 右腕として、渡辺均氏を同社副社長執行役員兼営業本部長に起用した。渡辺副社長は、プランタン銀座でキャリアをスタートし、バーニーズジャパンの立ち上げに関わる。その後、バスストップ、ボッテガ・ヴェネタジャパンを経て、「ヘンリーコットンズ」を擁するアイエスシージャパンの取締役CMOを務めてきた。二村社長とは20年来の仲だという。「小売りにおけるノウハウは持っているが、会社をオペレーションする経験はなかったから彼を指名した」。今後については「百貨店も専門店も厳しい中、ここ2、3年はインバウンド需要に救われている。これからはeコマースの売り上げも大きくなっていくだろう。アジア代表としての日本を取り戻すためにも、先端で動けるオンワードで、どうかじを切っていくか考えていきたい」という。ブランドの買収も視野に入れる。

 オンワードホールディングにおけるOGFの役割については「強固な経営基盤を作るのはもちろん、グループのシンクタンクになりたいと考えている。新進系ブランドのアンテナになり、オンワードのグローバル戦略の先兵になっていく」と抱負を述べた。

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