「WWDJAPAN」は、全国の百貨店に2024年上半期(1〜6月)の高額品の商況をアンケート形式で調査した。また、都心部および地方の主要店には、特選フロア担当者に売れ筋商品の動向などを詳細にヒアリングした。この半年は円安が加速度的に進行し、百貨店における訪日客の高額品消費はますます盛り上がっている。ラグジュアリーブランドは、定番デザインのハンドバッグに人気が集中。特選フロアのブティックに訪日客が列をなす姿は、もはや日常の光景だ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年8月26日号特別付録ビジネスリポートからの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
訪日客が爆増旗艦店に恵みの雨
日本政府観光局が7月に発表した統計によると、1〜6月の訪日客は累計1777万人となり、消費額3.9兆円(観光庁発表)とともに同期間の過去最高を更新した。円安が急激に進行した4月末〜5月頭の大型連休後あたりから、訪日客が押し寄せた。売り場からは、「5月は訪日客売り上げが前年同月比40%以上伸長し、大きなかさ上げ要因になった」(松坂屋名古屋店)との声が聞かれる。
エリア別に見ても、訪日客が集中する東京・大阪をはじめ、都市型店舗の特選フロアの伸長率が際立つ。伊勢丹新宿本店の売上高が前年同期比130%増、松屋銀座本店が同70%増、大丸心斎橋店が同52.2%増、阪急うめだ本店が同54%、高島屋大阪店が同65%増。阪急うめだ本店5階インターナショナルブティックの売上高に占める訪日客比率は15%から37%となった。
勢いづく「ミュウミュウ」
定番バッグ売れで上位ブランド盤石
ブランド別の伸長率1位は、前回に引き続き「ミュウミュウ(MIU MIU)」。伸長率ランキングでは前回調査(23年6〜12月)でもトップ(46ポイント)だったが、今回はそれをさらに上回る59ポイントを得票し、2位以下にダブルスコアをつけた(調査売り場は1減)。館別では、松屋銀座本店で前年同期比約600%増、阪急うめだ本店で同323%増、大丸心斎橋店で同257%増など爆発的な伸び。ビッグメゾンと比較すれば元々の売り上げのパイが小さいことを勘案しても、勢いはすさまじい。「ウエアを中心に売れ始め、直近はレザーバッグも好調」(大丸心斎橋店)。
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