三越銀座店は27日、8階ワンフロアに空港型市中免税店「ジャパン デューティー フリー 銀座（Japan Duty Free GINZA）」をオープンした。ジュエリーでは、「ティファニー（TIFFANY）」と、デューティーフリーへの出店が世界初出となる「ブシュロン（BOUCHERON）」が出店。ファッションでは、日本初となる「サンローラン（SAINT LAURENT）」「ヴァレンティノ（VALENTINO）」を筆頭に、「グッチ（GUCCI）」「ボッテガ・ヴェネタ（BOTTEGA VENETA）」「バレンシアガ（BALENCIAGA）」「サルヴァトーレ フェラガモ（SALVATORE FERRAGAMO）」「ジミー チュウ（JIMMY CHOO）」が、バッグ＆シューズを中心に販売するショップを構えた。関税、消費税などが免税になるため、市価の20％程度安い価格で購入できることになる。購入できるのは、日本からの出国予定者（パスポートと航空券を持った外国人と日本人）で、買い物をした商品は出国空港（成田または羽田）で引き渡すことになる。
売り場面積は約1000坪（3300平方メートル）で、初年度売上高は150億円、利用客の8割を外国人と見込んでいる。これで、「ジャパン デューティー フリー 銀座」は賃料として計上されるが、三越銀座店の店頭売上高としては、1000億円突破が見込まれる。
ファッション・ジュエリー以外では、コスメ＆香水に国内のデューティーフリー初の取り扱いとなる「アルビオン（ALBION）」に加え、「SK-II」「資生堂」「ザ・ギンザ コスメティックス セルジュ・ルタンス（THE GINZA COSMETICS SERGE LUTENS）」「クレ・ド・ポー ボーテ（CLE DE PEAU BEAUTE）」「シュウ ウエムラ（SHU UEMURA）」などの日本ブランドをはじめ、「ドゥ・ラ・メール（DE LA MER）」「ジョー マローン（JO MALONE）」「エスティ ローダー（ESTEE LAUDER）」「ランコム（LANCOME）」「クリニーク（CLINIQUE）」「オリジンズ（ORIGINS）」「ジョルジオ アルマーニ（GIORGIO ARMANI）」なども入る。
酒＆タバコでは、タバコの埋め込み型のタブレットを利用した注文システムを導入しており、成田空港近くに構えた倉庫から発送するなど、ショールーミングストア化を導入している。
大きな目玉となるのは、「ザ エイトハンドレッド ハンズ ジャパニーズ ビューティ（The 800 hands Japanese Beauty）」だ。多くの職人や日本人の感性が生み出した品々を「東京手仕事」「グッドデザイン賞 受賞商品」「伝統工芸品」「工業製品」の4コーナーで展開。"日本文化の再生屋"として知られる丸若裕俊・社長が率いる丸若屋がコンセプトワークと商品セレクトを担当。10面のモニターにはチームラボによるデジタルアート（年に6回切り替え予定）を配し、日本の美意識を感じられるゾーンとしている。
なお、3月9日には、海外ラグジュアリーウオッチを集めた「タイムヴァレー」をオープンする予定だ。国内デューティーフリー初登場となる「ヴァシュロン・コンスタンタン（VACHERON CONSTANTIN）」「ロジェ・デュブイ（ROGER DEBUIS）」に加え、「IWC」「カルティエ（CARTIER）」「ピアジェ（PIAGET）」「ゼニス（ZENITH）」「ジャガー・ルクルト（JAEGER LECOULTRE）」を扱う。
「ジャパン デューティー フリー 銀座」を運営するのは、Japan Duty Free Fa-So-La 三越伊勢丹で、日本空港ビルデングが45%、三越伊勢丹ホールディングス（HD）と成田国際空港の100％子会社NAAテイリングが各27.5%出資し、2014年9月に設立した。当面は銀座店で検証を重ねるが、他のインバウンド好調エリアへの出店なども検討する。なお、三越伊勢丹HDでは今年4月をめどに、福岡空港ビルディング、西日本鉄道と共同で福岡三越内に空港型免税店をオープンする予定だ。
