2015年9月に日本の民事再生法にあたる米国連邦倒産法第11章を申請した米クイックシルバー(QUIKSILVER)は、デラウェア州破産裁判所により破産申請が許可され、2月半ばまでに破産から脱却すると見られる。同社はこれにより5億700万ドル(約613億4700万円)の債務負担の軽減と、9000万ドル(約108億9000万円)の清算を行う。また、米投資会社のオークツリー キャピタル マネジメント(OAKTREE CAPITAL MANAGEMENT)はバンク・オブ・アメリカ(BANK OF AMERICA)と合同で同社に対し、1億7500万円(約211億7500万円)ドルの事業再生融資を行う。
クイックシルバーは不況やストリートウエアブランドおよびファストファッションブランドの増加により業績が悪化し、11年から5年連続で売り上げが前年割れを記録した。同社は破産法を申請後、特に業績の悪い29店舗を閉店し、15年1月付で全世界の店舗数は663店舗(うち87店舗が北米店舗)になった。グレッグ・ヒーリー(Greg Healy)=クイックシルバー アメリカ プレジデントは「今抱えている課題の一つがオーバーディストリビューションだ。今後は流通チャネルのスマート化を図り、取捨選択を行う必要がある」と語った。卸事業の見直しの他、同社の主軸であるサーフ&スケートショップへに注力する。また、売り上げを重視し、アウトレット店も減らす予定だ。
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