30代半ば以上の中堅・ベテランデザイナーたちの動きが活発だ。デザイナーたちは、20代のころから世間の価値観やファッション市場ががらりと変わる中で、自身が進むべき新たな方向性を見いだしている。ブランド設立10年目を目前にリブランディングしたり、再起をかけて新ブランド参画を決意したり、地方産地との協業で日本の技術をつないだり。取り組みはさまざまながら、長い経験から自身の強みを認識し、それらをビジネスに最大限生かそうとしている点は共通する。中堅・ベテランたちの限りない情熱は、若手デザイナーたちのフレッシュな勢いと共に、ファッション界に熱い風を吹かせる。(この記事は「WWDJAPAN」2024年8月26日号からの抜粋です)
「オールモストブラック(ALMOSTBLACK)」
1 / 3
リブランディングで
3ラインを軸に
2025年春夏シーズンにリブランディングし、メインコレクションに加えて、アーティストと協業するカプセルコレクション、ギアのアプローチに近い新ライン“ゴースト オールモストブラック”の3ラインを軸に構成する。メインの新コンセプトは“Collage the beauty that I love.(有名無名の美をコラージュする)”で、デザイナーが愛するアートや工芸の要素を、得意とするミリタリーウエアやドレスに融合する。これまでは、協業アーティストの作品に着想した構造や色柄使いが特徴だったが、今季からはデザイナー自身の内側からにじみ出す、感情的な服作りにも挑む。ジャケットの刺しゅうやシャツの装飾などにハートのモチーフを多用したのは、その覚悟でもある。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。