ルックは2月15日、2018年12月期を最終年度とする新中期経営計画を発表した。既存事業の収益向上と積極的な新規事業開発、EC事業の拡大を掲げる。昨年7月の「トリー バーチ」の契約終了に伴う大幅減収を最小限に留め、3年がかりで売上高を前期の水準に戻す。
既存事業では、「スキャパ」や「キース」などの婦人服ナショナルブランド(NB)の企画力とモノ作りを強化する。商品企画室を設け、共通素材などを用いた付加価値の高い商品を効率的に提供する。「イルビゾンテ」「マリメッコ」「アー・ペー・セー」「レペット」の4つの主力事業に集中的に投資し、新規店舗を計画する。年内に4ブランドで14の新規店を開く。一方で、不採算事業の廃止や撤退にも着手する。新規事業開発では、将来の主力事業を育てるべく、積極的にNB事業の開発や新たなインポート事業の開拓を行う。EC事業は、実店舗とオンライン上の在庫の一元化を図り、商品の品ぞろえを充実させる。早期にEC化率10%を目指す。
ルックの2015年12月期連結決算は、売上高460億200万円(前期比101.0%)、営業利益5億1600万円(同43.9%)、経常利益6億6000万円(同40.7%)、純利益4億4100万円(同35.0%)だった。14年4月に子会社化したレッセ・パッセの売上高が初めて通期分加わったことや韓国事業の成長によって、前期並の売上高を確保したが、「トリー バーチ」終了の影響で大幅な減益になった。発表した新中期経営計画を推進することで、16年に売上高425億円(経常利益7億円、経常利益率1.6%)、17年に同435億円(同9億円、同2.1%)、18年には同450億円(同12億円、同2.7%)を目指す。
多田和洋・社長は「今年から『トリー バーチ』の売り上げがなくなり、適正な利益を確保していけるかどうかが、ルックグループの大きなテーマになる。売り上げよりも内容にこだわった収益基盤を作るために、選択と集中を図っていきたい」と説明した。