世界各国の企業や著名人がタックスヘイブン(租税回避地)を利用して資産を隠していた疑惑が浮上したパナマ文書問題において、報道によるとヴァレンティノ・ガラヴァーニ(Valentino Garavani)「ヴァレンティノ(VALENTINO)」創設者とパートナーのジャンカルロ・ジャンメッティ(Giancarlo Giammetti)、ロンドンを拠点にするデザイナーのロクサンダ・イリンチック(Roksanda Ilincic)、ラタン・チャドラ(Rattan Chadha)「メックス(MEXX)」創業者兼元最高経営責任者、テキスタイル企業のインドラマ(INDORAMA)のモハン・ラル・ロヒア(Mohan Lal Lohia)会長ら、ファッション業界人の名前も記載されているようだ。
イタリアとイギリスの報道によると、ガラヴァーニやジャンメッティ、イリンチックはパナマ文書の情報を漏えいしたパナマシティの法律事務所、モサック・フォンセカ(MOSSACK FONSECA)担当の企業の株式を所有していたという。イタリアの週刊誌「レスプレッソ(L'Espresso)」によると、ジャンメッティは2004年にイギリス領ヴァージン諸島を拠点として登記したジャラ オーバーシーズ SA(JARRA OVERSEAS SA)と同じくヴァージン諸島で登記したパラムール ファイナンス リミテッド(PARAMOUR FINANCE LTD)を通した資金運用に疑いがあるという。ガラヴァーニとジャンメッティはともに00〜06年、脱税の疑いで調査されたことがある。「レスプレッソ」によると、この疑いは非公開の金額で決着しており、ジャラ オーバーシーズ SAおよびパラムール フィナンス リミテッド は調査対象だったという。両氏からコメントは得られていない。
一方ロンドンの新聞、「ガーディアン(The Guardian)」によるとイリンチックは夫と共にヴァージン諸島にあるグリーンランド プロパティ— リミテッド(GREENLAND PROPERTY LTD)の株主だという。イリンチックのスポークスマンは報道に対し、「ロクサンダは税金を逃れたり、資産を隠したりしていない。とはいえ、グリーンランド プロパティ— リミテッドは休眠企業だ」とコメントした。
WWD STAFF
訳 WWDジャパン編集部