高級革靴の製造・販売を行なうクラウン製靴は22日、民事再生法を申請した。帝国データバンクによると、負債総額は約36億7000万円で、デリバティブの解約損や金融機関から融資当日に融資を断られたことなどが影響しているという。
同社はマッケイ製法、ステッチダウン製法の伝統的な靴の製造法に精通しており、自社工場での有力ブランドのOEM(相手先ブランド生産)のほか、高級靴の専業メーカーとして「キャサリン・ハムネット」や「ランバンコレクション」などを全国の専門店や百貨店に販売。ピーク時には年商39億円を計上していた。
しかし、東日本大震災で仙台市内の店舗が大きな被害をうけたほか、デリバティブの解約損により、2011年5月期には7500万円の特別損失を計上。2月には株主で主要仕入れ先であった櫛原が破産し、信用力が低下、融資当日になって金融機関から融資の実行を拒絶され、資金不足に陥った。