ユースキン製薬が展開する敏感肌スキンケアブランド「ユースキン シソラ(YUSKIN SISORA)」が4年ぶりにパッケージデザインを一新した。成分・効能は変わらない。8月1日から全国のドラッグストア、薬局、公式ECなどで順次販売を開始している。
「ユースキン シソラ」の前身となる「ユースキンS」は、1993年に日本初(同社調べ)となる潤い成分「しその葉エキス」を配合したブランドとして誕生。2020年に現在の「ユースキン シソラ」へとリブランディングし、パッケージの変更は今回が3回目となる。
これまで「ユースキン シソラ」はマス広告を打たずサンプリングを地道に行っていたが、30〜40代の女性を中心にリピーター客が大半で、売り上げは毎年横ばい状態だったという。そこで、「既存のお客さまも大切にしながら、新しいお客さまとの出会いを広げるために、手に取りやすいパッケージに変えた」(高嶋俊継ユースキン製薬 企画部 コミュニケーショングループ マネジャー)。
今回のデザインは、20年のリブランディングでも担当したエイトブランディングデザインの西澤明洋代表が手掛けた。「ユースキンはハンドケアのイメージが強いが、『ユースキン シソラ』は顔にも使える商品ということを、直感的に気づいてもらえるようなイラストを採用した。どういった商品なのか正確に、ストレートに伝えることを重視して“超敏感肌用”と打ち出したデザインに仕上げた」と説明する。
敏感肌市場の拡大とともに競合ブランドも増え、他の商品を試した後に「ユースキン シソラ」にたどり着く客が多いという。「商品力の高さに自信はあるので、あとは見た目だけだと思っている。ファーストチョイスしていただけるブランドへと目指す」(高嶋マネジャー)。
社長の思い入れが強い
「ユースキン シソラ」の誕生背景
「ユースキン シソラ」は、同社2代目の野渡和義社長が、自身の子どもの肌悩みを解決したいという思いから開発した。デビュー時はクリーム単品でスタートし、年間10万個の販売計画を立てていたが、「10万個はすぐ売れてしまい、慌てて追加発注したが品切れを起こすほど反響があった。数カ月後には10社ほどがシソに着目した商品をこぞって発売したが、生き残ったのはわれわれだけだった」(野渡社長)と振り返る。
ブランド誕生以降ラインアップも増やし、愛用者を生み続けてきたが課題もあった。「ブランド名は安易にシソの“S”をつけてしまったがゆえ、消費者に伝わりにくかった」ことを踏まえ、2020年にブランド名を「ユースキン シソラ」に変更し、「シソの葉エキス」配合を強調。同時に容器デザインも刷新した。
野渡社長は、「効果効能の表現は制限があり、本当に伝えたい効果を紹介できず限界を感じていた。そうであれば言葉ではなく、肌が落ち着いて幸せになれる、困った人を救いたいという思いを示すデザインが必要だった」と、今回のパッケージデザインへと踏み切った。「われわれの思いがこのパッケージで表現できていると感じている。肌に悩んでいる人にぜひ手にとっていただきたい」。