ビューティ

吉野家が化粧品事業に参入 飲食事業で使用するダチョウのオイルから商品開発

吉野家ホールディングスが化粧品事業を本格始動する。子会社のSPEEDIAを通じてスキンケアブランド「スピーディア(SPEEDIA)」を立ち上げ、第1弾として“グラマラス ブースター オイル”(17mL、5720円/50mL、1万5400円)、“グラマラス エイジング クリーム”(40g、1万6500円)、“モイスチャーマスク”(1枚、550円)を28日に発売した。公式サイト、日本調剤オンラインストア、ヨドバシドットコムで取り扱う。

飲食事業を主軸とする同社は世界の人口増加や気候変動、食糧問題などを危惧し、畜種分散を進めていた。近年は牛丼に次ぐ第2のメニューの柱として鶏の唐揚げを据えていたが、この度新たな柱としてオーストリッチ(ダチョウ)を提案する。

飲食業での使用を前提とした研究の過程で、オーストリッチのオイルが高い美容効果を持つことを判明した。この研究結果を生かすべく、化粧品事業への参入を決意した。

“グラマラス ブースター オイル”は、洗顔後のスキンケア前に使用するブースターだ。次に使用する化粧水や美容液の成分が肌へ美容成分が浸透する効果を促進する。顔や体に加え、髪にも使用できる。“グラマラス エイジング クリーム”はパルミチン酸レチノール、パンチノール、スクワランを配合し、肌のバリア機能を高める。

吉野家ホールディングスは2009年に、ダチョウの飼育、研究、商品開発、販売を担うSPEEDIAを設立した。SPEEDIAでダチョウ研究を牽引してきた辻智子最高技術責任者はファンケル出身と美容業界に造詣が深い。「化粧品業界はターゲットを明確にする傾向にあるが、今回ターゲットを特に設けていない。老若男女、誰にでも使って欲しいし、使えるアイテムだ。ブランドと『オーストリッチ』の認知を拡げるために、あえて吉野家の屋号は使用しなかった。ただ、サンプルを一部店舗で配るなど吉野家が持つプラットフォームは活用してシナジーを生んでいきたい」とコメントした。

オーストリッチの認知が低いが故に購入ハードルが高いと考え、まずはポップアップなどで商品を体験できる場づくりに取り組む。将来的にオーストリッチの原料の卸にも着手したい意向だ。「今は吉野家がスキンケアを手掛けることへの驚きが大きいと思う。しかし、ゆくゆくは吉野家とは離れた文脈で当社の商品が日常で使用される世界を目指したい」と意気込む。

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