沖縄に続々とオープンしている、小規模ながら高級志向の「スモールラグジュアリーリゾート」のオープンを紹介する企画。沖縄本島・南城市に位置するモロッカンテイストの邸宅ホテル「リヤド ランプ」に続いて紹介するのは、2024年に本部町にオープンした、本格的なアーユルヴェーダリゾート「アーユルウェルネスリゾートOkinawa」だ。
東京、神奈川と沖縄・宜野湾でアーユルヴェーダ資格取得スクール「アーユルヴェーダビューティカレッジ」を主宰する、新倉亜希アーユルウェルネス代表が、2024年、沖縄本島・本部町に本格的なアーユルヴェーダリゾート「アーユルウェルネスリゾート オキナワ」を創設した。新倉代表にまず聞いたのは、「なぜ沖縄の北部にアーユルヴェーダリゾートを作ったのか」という質問。
「私はインドでアーユルヴェーダを学んだのですが、沖縄はインドと気候が似ていて温暖で、ここで過ごしているだけで五感が浄化される場所だと考えていました。しかも、インドのアーユルヴェーダの病院で処方される薬のもととなる野草が、沖縄には自生していたことも理由の一つです。加えて、アーユルヴェーダスクールの沖縄校を開設して15年目となることから、その卒業生やお客さまをもてなす場として、この地にアーユルヴェーダリゾートを設けたいと願っていました」と新倉代表は話す。
5000年の歴史を誇るインド・スリランカの伝統医療、アーユルヴェーダは「何となく体調が悪い」という不定愁訴や自律神経の乱れに高い効果を発揮するが、実際に新倉代表もその改善効果を体感したひとり。「大学卒業後、外資系証券会社で働いていたのですが、過労で体調を崩して、メニエール病などさまざまな不調を抱えてしまい。それを機に会社を辞めて、心身を休めようとバリのウブドに滞在することに。その時、ウブドでアーユルヴェーダの先生と出会い、診断してもらったところ、「あなたは病気ではなく、ヴァータ(生命エネルギー)が乱れているだけ。鳥の声で目覚め、虫の鳴き声で寝なさい、と言われました」。
その後、バリで自然と調和した暮らしを2カ月ほど続けたところ、治療薬を2年ほど内服しても直らなかった不調が改善し、体調もみるみる回復。アーユルヴェーダの治療に感銘を受けたことから、帰国後に、改めてインドでアーユルヴェーダの治療法を学び、09年に東京でスクールを設立するに至ったと話す。
そして、24年4月に念願かなってグランドオープンした「アーユルウェルネスリゾート Okinawa」は滞在するだけで体調が整うのが魅力だという。「こちらの建物や客室はインドの古代遺跡にもみられる自然エネルギーを再生するデザイン、〝スターパティア・ヴェーダ建築″に基づいて設計されており、滞在するだけで自然との調和を図ることができます。しかも1日1組の貸切になりますので、テラスや屋上など、思い思いの場所でゆっくりとお過ごしいただけるのも特長です」。
滞在中は問診後に、本人体調や体質を考慮したスパトリートメントを提供。薬草オイルでケアする「アヴィヤンガ」や頭部に薬草オイルをたらす「シロダーラ」、ハーバルボールを使った「ピンダ・スウェーダ」、薬草パウダーを用いた「ウドゥワルタナ」など、複数のメニューを組み合わせてゲストをケアする。
これら本格的なアーユルヴェーダ施術を堪能するために、ほとんどのゲストは2泊3日の「体質改善プラン」を選ぶという。
「体調に働きかけるには、スパトリートメントのほか、ハーブガーデンで摘み取ったハーブを活用した食事やお茶、セルフケアなど、アーユルヴェーダのさまざまな知恵を組み合わせたほうが効きが早いため、2泊以上の滞在をおすすめしています。また、3日間で心身の浄化を促しつつ、それを日常生活でも応用していただけるよう、ホームケアもお伝えしています」。
グランドオープン後、意外だったのは企業による法人利用も多いということ。「企業の福利厚生としてご利用いただく機会も増えています。滞在プログラムを受けたお客さまからは何年も抱えていた神経痛が完治したとか、更年期の症状が和らいだ、産後のホルモンバランスが整ったなど、大人ならではの症状の改善に多くの反響をいただいています。私自身も過労で体調を崩し、アーユルヴェーダで救われたという経験もあることから、今後は美容目的だけではなく、仕事や育児、介護などマルチタスクをこなしているかたへの癒やしも提供できたらと考えています」。
■アーユルウエルネスリゾートOkinawa
住所:沖縄県国頭郡本部町新里170−5
(那覇空港から車で約1時間45分)
電話:03-5701-1217
Instagram:@ayurwellness_resort_okinawa
〈2泊3日体質改善プラン〉
12万5100円~(4食付き・2名1室利用時1名あたり)
・1棟貸切ヴィラ宿泊滞在
・1日2回のお食事(朝食・ライトな夕食)
・コンサルテーション、およびトリートメント
・セルフケアキット
・ハーブティ処方・ハーブガーデンへのアクセス
そのほか、1名からの日帰りスパプランもあり