今年は周年を迎えるジュエラーが多く、世界各地で記念イベントや展覧会が開催されている。スイス発「ピアジェ(PIAGET)」は今年、創業150周年、イタリア発「ブルガリ(BVLGARI)」は140周年、同じくイタリア発「ダミアーニ(DAMIANI)」は100周年、日本発「タサキ(TASAKI)」は70周年を迎えた。周年はブランドの歩みを振り返り、アイデンティティーを再認識すると同時に、ジュエラーとして培ってきたノウハウを世界に向けて発信するいい機会でもある。投資価値があり希少性の高いハイジュエリーの需要は高く、周年のブランドに限らず各ジュエラーが注力するカテゴリーだ。見事な宝石といい、惜しみなく費やされた制作時間といい、今年の新作ハイジュエリーは力作ぞろい。ここでは、周年イベントをはじめ、パリで発表された新作ハイジュエリーの見どころを紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2024年9月2日号からの抜粋です)
独創的なクリエイションでジュエラーの力量を発揮
「ダミアーニ」は3月、創業100周年を記念し、ミラノの近代美術館“ガレリア・ディ イタリア”で「Damiani 100×100 Italiani」展を開催し、100点の新作ハイジュエリーを展示した。“ミモザ”などアイコンジュエリーの1点ものや希少な宝石を用いたマスターピースを披露。ガライベントには、新たにグローバルアンバサダーに就任した女優ジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)らが参加した。5月に、本拠地ローマの野外博物館“テルメ・ディ・ディオクレツィアーノ”で盛大なガライベントを開催したのは「ブルガリ」だ。イベントには、アンバサダーのアン・ハサウェイ(Anne Hathaway)ら華やかな顔ぶれが集結。ハイジュエリーやハイエンドウオッチ、バッグなど500点以上からなる“エテルナ”コレクションを発表した。色石のイメージが強い「ブルガリ」だが、イベントで発表したブランドの歴史に残るような代表作“セルペンティ エテルナ”ネックレスには、Dカラー、フローレスという最高級ランクのダイヤモンドを使用。トップジュエラーとしての力量を見せつけた。「ピアジェ」が発表の場に選んだのはパリだ。6月にパリ旧証券取引所で「エッセンス・オブ・エクストラレガンザ」展を開催し、ガラにはフェイス・オブ・メゾンのエラ・リチャーズ(Ella Richards)らのセレブリティーが参加。“エクストラレガンザ”とは、エクストラバガンス(華やかさ)とエレガンス(優雅さ)を組み合わせた造語で、よりすぐりの宝石と職人技を駆使した作品をそろえ、革新的なアプローチをアピールした。
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