グッチは、今年1月に倒産した「リチャード ジノリ」を買収する(弊紙4月15日P4 既報)。グッチのみが同社の買収を1300万ユーロ(約16億7700万円)で申し出ており、他社からの買収オファーがなかったため、フィレンツェ州法廷は4月22日にそれを認めた。グッチは、リチャード ジノリ 1735の従業員308人のうち230人の雇用を約束しており、買収は5月22日に終了する予定だ。
グッチのパトリツィオ・ディ・マルコ社長兼最高経営責任者(CEO)は、「『リチャード ジノリ』はメイド・イン・イタリーを象徴するブランドだ」と述べる。グッチはイタリア中小企業の支援活動を行なっており、今回の買収はその一環である。グッチは「リチャード ジノリ」と共に "アート・デ・ラ・テーブル"というテーブルウエアのラインをスタートする予定で、同社の立て直しを図ると共に国際的認知度アップも図っていく。ディ・マルコ社長兼CEOは「テーブルウエアは競合が多く簡単なカテゴリーではないが、全世界で販売できる可能性がある。じっくりと参入していくつもりだ」という。
「ミッソーニ ホーム」を含むリチャード ジノリ 1735のライセンスに関しては「ブランドの本来のルーツに戻るべきで、今後のライセンスに関しては検討していく」とディ・マルコ社長兼CEO。