訪日外国人観光客を誘致する目的で、一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会(以下、JSTO)が設立された。9月3日に行なわれた設立会見では、政府が10年にわたって活動した「ビジットジャパンキャンペーン」の経験を生かし、初の民間企業主体による訪日外国人観光客誘致プロジェクトとして活動していくことが発表された。
「ショッピング」をコンセプトに、国内の小売店・民間企業を連携させ、訪日観光プロモーションと受け入れ環境の整備を通じて、訪日外国人観光客誘致拡大及び国内事業活性化の促進を図る。事業としては、日本の魅力を在外、在日の外国人観光客に伝える「PR事業」、訪日外国人観光客対応レベルの向上に向けた仕組み作りを行なう「事業者支援事業」を中心に活動する。
理事会では、JTBの田川博己・社長が代表理事に、USPジャパンの新津研一・社長が事務局長に就任した。新津研一事務局長は、昨年まで三越伊勢丹の営業本部に所属し、店舗運営、営業戦略、新規事業開発等を担当していただけに、大手百貨店やセレクトショップへの誘致に期待がかかる。正会員企業には、三越伊勢丹ホールディングス、旅行会社のJTB、カード会社のJCBなど、多様な企業が参加する予定だ。
最初の3年間は、冬(12?2月)と夏(7?8月)の年2回開催する「ジャパンショッピングフェスティバル」をはじめとした、情報発信の基盤を作っていく。4?6年目には、同イベントなどの拡大を図り、東京オリンピックの開催が期待される2020年頃にJSTO主催イベントのブランド化やメディア収益による事業運営確立を計画している。当面の運営予算は、20社を超える民間企業の出資や参加小売店の会費などを原資にする。なお、第1回目の「ジャパンショッピングフェスティバル」は、今年12月から来年2月に東京と大阪で実施予定。約100店舗の小売店の参加を目指す。新津研一JSTO事務局長は「最初は、さまざまなイベントと協力していく予定だが、将来的には日本人の方も参加できるような大きなイベントを開きたい」とコメントした。
今後は、言語対応、決済、免税対応など、訪日外国人観光客が買い物しやすい環境を作る。また、会見後の懇親会に出席した、鶴保庸介=国土交通省国土交通副大臣は「免税対象などで、訪日外国人観光客が日本での買い物をしやすくなるよう検討したい」とコメントした。