セブン&アイ・ホールディングスは4日、バーニーズ ジャパンに出資すると発表した。2014年1月に東京海上キャピタルが運営するファンドから49.9%の株式を取得することで合意した。取得金額は60億円程度のもよう。「バーニーズ ニューヨーク」の高いブランド力や売り場編集力などのノウハウが、セブン&アイ傘下のそごう・西武などと相乗効果が期待できると判断した。また、セブン&アイが推進するオムニチャネル戦略にも組み入れていく。
今回の出資でセブン&アイは、バーニーズ ジャパンの株式50.1%を保有する住友商事に次ぐ第2位の株主になる。バーニーズ ジャパンは米高級専門店「バーニーズ ニューヨーク」を新宿、銀座、横浜、神戸、福岡の5店、アウトレット店を5店の計10店を展開している。2013年2月期の売上高は195億2200万円だった。住友商事とセブン&アイは「まだ協議中で具体的な話は決まっていない」(両社の広報)としているが、米国で展開している小型店「コアップ」のそごう・西武での出店、「バーニーズ ニューヨーク」での地方都市への出店などに弾みがつくことも考えられる。
セブン&アイはグループを挙げてオムニチャネル戦略を推進中で、ネット経由の売上高を20年には現在の10倍に相当する1兆円に拡大する目標を掲げている。セブン-イレブン、イトーヨーカドー、そごう・西武、赤ちゃん本舗、タワーレコードなどグループで販売する全取扱商品約300万点をネットで販売できるようにし、在庫管理も一元化する。ネットで注文した商品を全国に約1万6000店を構えるセブン-イレブンで受け取れるようにするシステムの開発にも着手。今月2日には通販大手のニッセンホールディングスの買収を発表するなど、潤沢な手元資金を武器にオムニチャネルへの投資を強めている。
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