セレクトショップ「ステュディオス(STUDIOUS)」などを手掛けるTOKYO BASEはこのほど、若年層に向けた新業態「コンズ(CONZ)」の路面店を東京・原宿にオープンした。場所は「ステュディオス」原宿本店をはじめ同社が複数店舗構えるエリアだ。元「ステュディオス」メンズ部部長で、「コンズ」事業責任者の熊沢俊哉新規事業部ディレクターは2030年までに年商30億円を目指すという。
ブランドやジャンルにこだわらない自由なミックス感覚
モードテイストの主力事業「ステュディオス」に対して「コンズ」ではカジュアルを軸に、トレンド要素を取り入れたオリジナル商品も交えて提案し20代前半の層を狙う。コンセプトは「雑然とした⽇本特有のミックススタイル」。熊沢ディレクターは「周りのファッション好きな若い人たちを見ていると、ブランドやジャンルにこだわらない自由な着こなしを楽しんでいる。そんなフラットなミックス感覚を『コンズ』では提案したい」と話す。
店舗内装はDAIKEI MILLS(ダイケイ・ミルズ)が手掛けた。ガラス張りの店内は、木材やステンレス、大理石、レンガといったさまざまな素材を混在させてブランドコンセプトを表現した。2フロアで構成し、売り場面積は合わせて約119平方メートル。1階には「シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)」や「ソーイ(SOE)」などストリート色の強い仕入れブランドとオリジナル商品を並べる。
オリジナル商品は「ネヴァーフォーゲット(NVRFRGT)」の⼭⽥拓治デザイナーと、「ジェンイェ(JIAN YE)」のスゲノコウスケデザイナーと共同で製作した。ブルゾンで3万円前後、パンツで2万円前後と比較的手に取りやすい価格帯にもこだわった。熊沢ディレクターは「普段は彼らのブランドの服を買えないお客さまにも、2人のクリエイションを楽しんでもらいたい。いわゆるセレクトショップのオリジナルではなく、仕入れブランドに並ぶ位置付けでしっかり売っていきたい」という。
2階は塚崎恵理子デザイナーによる「カレンテージ(CURRENTAGE)」や岡ゆみかデザイナーのが「アンスクリア」(INSCRIRE)など、よりエレガントな軸で提案する。取り扱いブランドは全25ブランド。
ポップアップイベントなども積極的に仕掛ける。第一弾は、日本のオタク文化を発信する「フッドマート(HOODMART)」と組んだ(現在は終了)。アニメキャラクターのフィギュアやキーホルダーなどの雑貨や古着のボディーにキャラクターをプリントしたTシャツなどを販売。「カルチャー全般も含めて『東京のファッション』として提案していけたら」と熊沢ディレクター。
9月7日には新宿ルミネエストに2号店を出店した。今後はTOKYO BASEの出店戦略に沿って東京や名古屋、大阪の大都市圏での出店を狙う。