こちらの記事で詳細が語られている通り、ハドソンズベイ・カンパニー(HUDSON'S BAY COMPANY)はニーマン・マーカス・グループ(NEIMAN MARCUS GROUP)の買収後、傘下に入るニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)とバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)、それに元来保有しているサックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)のECをアマゾン(AMAZON)に担ってもらうそうです。ニューヨークに店舗を構えるバーグドルフ・グッドマンに象徴される高級百貨店グループのニーマン・マーカス・グループと、一応はそのライバルと目されるサックス・フィフス・アベニューのECを全て手掛けるワケですから、あくまでロジスティクスを中心としたサードパーティーとしての参画ではありますが、アマゾンはラグジュアリー・ファッションのEC市場に正々堂々と参入することになったワケです。むしろアメリカの高級百貨店のECの世界では、アマゾンは一気にメジャープレイヤーに昇格です。だって以降アマゾンと無関係な高級店も構える百貨店は、ノードストローム(NORDSTROM)とメイシーズ(MACY'S)だけになるんですから。
アマゾンにとって、ラグジュアリーへの進出は悲願です。かつては「ロジスティクスは完璧。だから、どこかのラグジュアリーブランドとタッグを組めれば、ドミノ倒しのようにアマゾンを利用するブランドが増えるはず」(10数年前のアマゾンジャパン幹部)と、将来を楽観視していた印象がありました。しかし上の記事にある通り、LVMHのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)を筆頭に、ラグジュアリー業界は、アマゾンの目論見通りには手を組んでくれません。理由は、偽物。実際アルノーCEOは、「アマゾンの利益は、ユーザーが出品者から購入するマーケットプレイスでの売買によっている。一定の手数料を取るという仕組みのため、アマゾンは模造品などを出品している業者であっても厳しく取り締まらない。(中略)ECプラットフォームから模造品を一掃するため、やらなくてはならないことがたくさんある」と説きました。以降、というワケでもありませんが、アマゾンが時にはラグジュアリーブランドと手を組んで模倣品対策に注力しているのは、以前もこのメルマガでお話した通りです。
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