ファッション
連載 今週の特集お届け隊 第154回

13の日本アパレルからヒントを学ぶ

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2024年9月9日号からの抜粋です)

:国内アパレルの環境配慮型素材の利用が増えていると聞いて、その役に立つ特集を作りたいと考えました。ターゲットはデザイナーや生産担当。認証素材を使うだけで思考停止してはダメ。「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」やイトキン「オーヴィル(EAUVIRE)」、「ダブレット(DOUBLET)」など13の日本のアパレルからそれぞれヒントを得ました。

木村:「サステナブルです」「認証素材を使っています」と謳うブランドは多くあっても「なぜその認証か」にまでこだわっているところは少ないですよね。ビジョンが見えているサステナブルアパレルを紹介したいと私も思いました。

:ただ、商品として魅力的かどうかは、サステナブルかどうかと同じくらい大事。背景がどれだけ素晴らしくても、「素敵!欲しい!」と思えるモノでなくては極端な話、ゴミになっちゃう。13ブランドから1点ずつ商品を紹介し、その背景やサプライチェーンを紹介しましたが、商品自体の良さを伝えるべく物撮りにこだわりました。調達のヒントや思考の参考になればうれしいです。木村さんはどこの取材が印象的でしたか?

生き残りをかけた危機が迫っている

木村:「CFCL」ですね。欧州の規制が進む中での考え方や対応がすごく勉強になりました。欧州で規制されている化学薬品の不使用を、日本の工場や産地が証明できないという現状を初めて認識し、「この先、どうするのか」「どこをターゲットにするか考えないとビジネスができない」という危機を痛感しました。日本の繊維産業の国際競争力を高めていくためにも、産業全体でどう取り組んでいくべきか、議論を前進させる必要を感じました。

:近い将来、証明を必要としないところでしか販売できなくなります。私も、とあるメーカーのベテランが「メードインジャパンは認証を必要としない国でしか売れなくなる」と自虐的に語っていて、深刻度を理解しました。ミラノを拠点に活動する「セッチュウ」の桑田悟史デザイナーを取材したところ、彼らは本当にやらなければならないことだけ対応している様子。でもそれは現地での横のつながりがあるからできていること。そして中国は国として割と素早く対応し始めているようです。

木村:経済産業省が発表したガイドラインは対応のヒントになると思い、取り上げました。この特集が「サステナブルアパレル」を実践するきっかけになったらうれしいです。

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