三越伊勢丹ホールディングスが、新たにPM(プロパティ・マネジメント)事業に参入し、ショッピングセンターの運営に着手する。中国・東南アジアで店舗網を拡大する中で、2014年末に中国・成都2号店(店舗面積約2万1000平方メートル)をオープンする予定だが、出店先の商業施設・環球時代中心(仮称、同約6万3000平方メートル)のPM事業を引き受ける方針。これまでも海外から商業施設の運営について要請があったというが、断ってきたという。国内に比べて圧倒的に高い成長性が見込める中国・東南アジアの海外事業を強化する中で、大規模ショッピングセンターが次々と開発されるため、ビジネスチャンスが大きいと判断した。
海外では今冬に中国・天津2号店(同2万5000平方メートル)、2013年末にシンガポール6号店をジュロンウエストゲイトSCにオープンする予定。出店が遅れていたインドネシアにも出店することを決定。単独出店は難しいとして、現地財閥などとの合弁または提携方式を取る方針だ。
なお、尖閣問題に揺れた中国では、上海の梅龍鎮伊勢丹(写真)は若い女性が中心顧客ということもあり、すでに前年を上回る売り上げで推移。多民族が入り混じる成都など一部のエリアでは対前年比10%減程度の影響が残っているという。今後の出店では、すでに店舗を構えるエリアについては計画しているものについて引き続き出店してドミナント化を進めるが、新たなエリアや省への出店は、慎重な姿勢に転じる考えだ。