「シャネル(CHANEL)」はこのほど、ブランドを代表するフレグランス“シャネル N゜5”の広告キャンペーンの顔として、俳優でプロデューサーのマーゴット・ロビー(Margot Robbie)を起用する。新キャンペーンは、10月に公開予定だ。
2018年3月から「シャネル」のアンバサダーを務めるロビーは、パワフルな女性が推進力となるストーリーを語ることを望む。力強く、それでいて穏やかなカリスマ性が“シャネル N゜5”と共鳴し、今回の起用に至った。ロビーは、「“シャネル N゜5”は世界で最もアイコニックな香りの一つ。その世界に参加させてもらえるのは素晴らしいこと。長年この香りに関わってきた、才能溢れる素晴らしい女性たちのリストに名を連ねることを、心から誇りに思うわ」とコメントを寄せる。
オリジナルの“パルファム”は1921年に生まれ、24年に“オードゥ トワレット”、86年に“オードゥ パルファム”、2008年に“オー プルミエール”、16年に“ロー”を発表。広告キャンペーンにはこれまで、ガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)=創業者やマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)、カトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)、ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)が登場してきた。
孤独の中に平穏を見つけることが大切
最新の広告キャンペーンフィルムは、ルカ・グァダニーノ(Luca Guadagnino)が監督した。テーマは「欲望」で、「欲望がどのように人々を引きつけたり、引き裂いたりするか」を表現したという。ロビーは、「グァダニーノ監督はとても映画的な方法で官能的なムードを作り出す。彼の映画のそういうところが好きだから、私たちは間違いなくその“欲望”のままに遊んだと思う。とても遊び心に溢れた仕上がりになったわ」と話す。
ロビーはキャンペーンフィルムで、俳優のジェイコブ・エロルディ(Jacob Elordi)と共演した。ロビーが演じるキャラクターは、興奮と期待に胸を膨らませながらデートの準備をしている。運命のいたずらで2人がすれ違ったとき、彼女はそれを笑い飛ばし、海に飛び込み、光の中に浮かび上がる。ロビーは、「私が演じた女性はとても穏やかで、静かな自信と落ち着きを持っている。それを演じるのがとても楽しかった」と振り返る。それは女性らしさの中に力を秘めた孤独の静けさで、同キャンペーンの背後にある明確なメッセージだ。
ロビーは、「孤独の中に平穏を見つけることは、大人になるための大きな要素だと感じているわ。一人でいることや、一人で満足して幸せになることを学ぶのは、人生においてとても重要なことだと思う」と語る。「外部世界で自分が望むものを見つけようと躍起になっているだけでは多くのエネルギーを浪費し、結局は幸せになれないと思うの。自分の中にそれを見つけられなければ、長続きしない。でも、自分の中にそれを見つけられれば、いつでもハッピーでいられる。とても経験的な考え方だと思うけど、年をとるにつれて、このように内省する時間が長くなっているのは確かね」と続ける。
製作会社での取り組み
今後ロビーは、夫でありビジネスパートナーのトム・アッカリー(Tom Ackerley)やジョシー・マクナマラ(Josey McNamara)、ソフィア・カー(Sophia Kerr)と共に設立した製作会社ラッキーチャップ エンターテインメント(以下、ラッキーチャップ)に引き続き注力する。ロビーはプロデュースについて、「オリジナルの声を重視している」と話す。最新作の「マイ・オールド・アス」を脚本・監督したミーガン・パーク(Megan Park)は、とても若々しくユニークな声を持っているという。「彼女のほかの作品『フォールアウト』などからも分かる通り、彼女は若い世代が考えたり感じたりしていることに、おそらくほかの多くの人たちよりも本物らしく感じられる方法でアクセスできる」と述べる。
ラッキーチャップは今秋、オフ・ブロードウェイのヒット作「タイタニック」のマーラ・ミンデル(Marla Mindelle)を迎え、初のミュージカル作品「ザ・ビッグ・ゲイ・ジャンボリー」を上演する。ロビーは、「今回も、とてもオリジナルな声を披露するわ。クリエイター兼パフォーマーのミンデルはとても独創的で、天才的な才能を持っている」と太鼓判を押した。
マーゴット・ロビーとは
マーゴット・ロビーは1990年生まれ、オーストラリア出身。2013年公開のマーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督作「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でブレイクした。その後はクエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」やデイミアン・チャゼル(Damien Chazelle)監督の「バビロン」などに出演。オリンピックにも出場したフィギュアスケーター、トーニャ・ハーディング(Tonya Harding)の半生を描いた問題作「アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル」で初めてアカデミー主演女優賞にノミネートされた。23年に公開したグレタ・ガーウィグ(Greta Gerwig)監督作「バービー」では製作・主演を務め、アカデミー賞で7部門8ノミネートを果たした。また、女性の物語や女性の声、新進の映画製作者を支援するという方針の下、ラッキーチャップで映画やテレビドラマの企画開発に携わっている。