資生堂のエイジングスキンケアブランド「エリクシール(ELIXIR)」の勢いが止まらない。ブランド戦略を刷新した2022年以降、肌に“最大限の効果”をもたらす商品群が結実し、右肩上がりで成長。次々とヒット商品を生み出す中、9月21日に発売する新美容液“ザ セラム aa”にも期待する声が多く寄せられ、予約数はブランド過去最高となる10万個を突破。下半期は同商品を引っ提げ、「愛用者基盤の拡大へとつなげたい」(越間美布エイジングケアマーケティング部バイスプレジデント)と、24年度も全体で2ケタ成長の達成を見込む。
「エリクシール」は22年にブランド戦略を大きく転換し、本格的なエイジングケアブランドとして「選択と集中」を明確にしたマーケティング戦略を開始。エイジングケアを本格的に始める40歳以上をターゲットに訴求し、年間の新商品数を15品前後から2〜3品前後へと絞り、悩みや機能に特化した商品をそろえる。タッチポイントも生活者の行動変化に合わせ、TVCMのみならずチラシやデジタル、店頭へと拡大した。
ブランド体験も推し進め、リピート購入の促進に力を注ぐ。その一環として、昨年はオンライン肌測定“AIスキンアナライザー”の提供を開始した。ユーザー自身で簡単に肌効果の進捗を確認でき、満足度が向上するとともに購入単価の上昇にもつながった。店頭でのカウンセリング含めOMO施策が成功し、売り上げを後押しする。
その結果、23年の売り上げは2ケタ増となり、17年連続でスキンケア売り上げ金額No.1(インテージSRI、SRI+スキンケア市場 メインシリーズランキング07年1月~23年12月推計販売金額)を更新した。「国民的なブランドとして、いつもお客さまのそばにいられる状態になってきている」と胸を張る。
24年上半期(1〜6月)の売上高は前年同期比17%増、営業利益は同1.6倍と好調に推移。各カテゴリーで伸長しており、化粧品・乳液は同4%増、シワ改善化粧品は同71%増、クリームは同62%増、UV乳液は同83%増をマーク。それぞれの市場でシェアNo.1(インテージSRI調べ)を誇る。新規顧客は同38%増と順調に取り込んでいる。
「これまでのエイジングケアの常識を覆す、お客さまの期待をいい意味で裏切る商品を続々と投入してきた」ことも奏功。今年は2月に発売したトーンアップUV乳液(3410円)は、発売初週でブランド全体の売り上げシェア47.9%を占め、発売3カ月で年間目標を達成した。「私たちが想定した以上にお客さまに“刺さった”」と分析する。
下半期は、伸びしろのある美容液カテゴリーで一手を打つ。4年ぶりとなる新美容液“ザ セラム aa”【医薬部外品】(50mL、8910円/リフィル50mL、8360円※編集部調べ)を9月21日に発売する。最先端のコラーゲンサイエンスと資生堂の技術を全て結集した「集大成ともいえる美容液」と自信を見せ、すでに10万を超える予約数で幸先良いスタートを切っている。「(ブランド内の)美容液で過去最高の売り上げと美容液カテゴリー市場でトップシェアを目指す。そして、国内のスキンケア市場シェアNo.1をさらに盤石化していきたい」。