ハニーズは6月からスタートしている2015年5月期に、従来からの強みとしてきた「高感度・高品質・リーズナブルプライス」を堅持するとともに、ブランドターゲットの再設定に着手する。
同社はもともと、1900円、2900円といったリーズナブルな商材を中心に展開してきたが、円安への対応や消費者の品質志向などを受けて、昨年秋冬物から販売価格の引き上げを打ち出した。しかし、客数が減少し、売り上げが低迷。今年に入り、価格を元に戻したものの、消費税増税もあり、客数が回復しなかった。既存店売上高は前期比93.2%で、客数が同89.8%、客単価が同103.8%となり、14年5月期連結決算は、売上高600億8600万円(前期比97.0%)、営業23億1400万円(同49.1%)、経常利益21億3800万円(同40.9%)、当期純利益5億5600万円(20.3%)と減収大幅減益になった。期中の出退店は、国内が出店32店舗、退店18店舗、期末店舗数が844店舗、中国が出店109店舗、退店49店舗、期末店舗数は589店舗だった。
今期は、引き続き低価格路線を追求。20〜40代向けの働く女性に向けた通勤カジュアルの「グラシア」(前期売上高は91億円・前期比100.5%)を強化する。ヤングカジュアルの「コルザ」(同156億円・同91.4%)は、ティーンズ向けを削減し、20歳前後をメインターゲットとして大人化を図る。テイストも原宿系・渋谷系を中心に展開していたが、「渋谷系が非常に悪い。同業でもギャル系ファッションをやっているところは7掛け状態というところが多い。雑誌の廃刊も含めて、ギャル系ファッションは消えていく可能性があるくらい足元が悪い。我々は原宿系とモード系というくくりでターゲットを再設定していきたい」と江尻義久・社長。着回しの効く大人カジュアルブランドの「シネマクラブ」(同122億円・同89.1%)は30〜40代の大人を中心に、幅広い客層に対応した商品群を強化する。連結売上高は625億円(同104.0%)、営業利益30億円(同129.6%)、経常利益31億円(同145.0%)、当期純利益13億円(同233.7%)を予定する。
なお、中国事業については、価格競争が激化して苦戦したため、前期途中から出店を凍結して店舗運営力の強化などに取り組んでいるところ。15年3月期は売上高133億円(前期比110.5%)、営業利益3億円(前期は3億4500万円の赤字)、経常利益3億3000万円(同2億8600万円の赤字)、当期純利益1億8000万円(同5億2900万円の赤字)と黒字転換を目指す。