ファッション
特集 NY・ロンドンコレクション2025年春夏

「トミー ヒルフィガー」が海風と共に届ける ふくよかで新しいプレッピー

トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」が9月6〜11日(現地時間)に開かれたニューヨーク・ファッション・ウィークで、 2025年春夏コレクションを発表した。「ノーティカル(航海)」をテーマとした今回のショーの舞台は、マンハッタンに停泊したスタテン・アイランド・フェリーだ。

オーバーサイズと軽やかな素材感

ファーストルックで見せた赤・青・白をカラーコードとしたジャケットスタイルをはじめ、ブルトンストライプのセーターやオックスフォードストライプのシャツなど、今季も「トミー」らしい安定感のあるプレッピースタイルは健在。一方、アウターはオーバーサイジングに設定し、ナイロンや薄手のデニムなど軽やかな素材感のアイテムが目を引いた。トレンチコートやダブルブレストジャケットをただ律儀に着るのではなく、スタジアムジャンパーやナイロンのマウンテンパーカーを重ねたり、ワイドデニムやナイロンのカーゴパンツを合わせたりして、気取らないスタイルを作る。膝丈ほどのロングシャツは、お腹あたりまでボタンが外され、モデルの歩調に合わせてシルエットが大きく揺れ動く。

海風が与えるふくらみとドレープ
臨場感のあるマリン&プレッピー

アイテム1点1点は奇をてらったものではないが、サイジングと着こなし、レイヤードで新鮮に見せる。そして船のデッキに時折吹きこむ心地よい海風が、コレクションピースにふくよかな膨らみと流れるようなドレープを与える。来場者たちはフェリーの船上から、トミーが愛する「ノーティカル(航海)の旅」に思いを馳せたはずだ。

40周年を迎え、プレップスタイルの代名詞となった「トミー ヒルフィガー」。ブランドは歴史を重ねるほど「新しさ」を生み出すことは難しくなるもの。海風が新しい命を吹き込んだ今回のリアルショーでは、それを軽やかに乗り越えるムードを感じさせた。

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百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

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