ファッション
特集 NY・ロンドンコレクション2025年春夏

「マイケル・コース」は永遠に愛したくなるリゾートウェアを提案 「それは特別でありながら、実用的なもの」

マイケル・コース(MICHAEL KORS)が手がける「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」が現地時間の9月10日に2025年春夏コレクションを発表した。会場に選んだのはハドソンヤードにあるTHE SHED。「地中海のロマンス」をテーマに、会場内にはイタリアの海岸線を彷彿とさせる切り立つような岩のオブジェが飾られていた。

手にとって分かる贅沢な素材使い

ショーの数日前、ミッドタウンのオフィスでコースは今回のコレクションについてこう語った。「今シーズンは1950年代のロマンティシズムと1990年代の洗練されたシンプルさを融合させました。35年間、一緒にものづくりをしてきたイタリアの職人たちと作り上げたコレクションは、ディテールの細部にまで気を配っています。それは一度だけではない、何度でも着たくなる服です」。コレクションのムードボードには最近旅行をしたイスキア島など、イタリアのリゾートで目にした景色や素材、ビーチで寝そべる人たちがモノクロの写真で飾られていた。「今回のリゾートウエアは地中海のようにのんびりしているけれど贅沢で、素朴な豪華さがあります。それでいて、レッドカーペットにも行けるような洗練されたムードを共存しています」。

ファーストルックから数体はオールブラックのシックで都会的なスタイルが続くが、テーラードを基調にしながらも、スイムスーツを合わせたり、カゴバックやラフィア素材を取り入れるなど、リゾート感は忘れない。コースがイタリア職人との長きにわたるコラボレーションについて前述していたように、カットアウトしたレザーをレースのように刺しゅうしたスカート、オーガンジーを手作業で花柄にあしらったドレス、ラフィアを刺しゅうしたレザースカートなど、これまでのシーズンよりも凝った素材が多く見られた。クラフトマンシップが息づくこれらのアイテムは、永続的に所有したくなるものだ。

一度着て終わりではない
持続可能なファッションを

「私はいつも陰と陽を見るのが好きだと言っています。それは特別でありながら実用的なもの。ベーシックすぎても退屈だし、奇抜すぎるとその服は一度で終わってしまう。そのバランスを見つけたいと思っています」。ベーシックでありながら退屈しない、洗練されたファッションを提案し続けてきたコース。時代とともにファッションの価値観が変化する中で、「あなたにとって変わらないものとは何か?」と尋ねた。

「すばらしいファッションとは、年齢、国籍、サイズに関係なく、誰にでも似合うものだと思っています。ショーでもスリムなモデルや背の高いモデル、色々なモデルが世界中から集まっています。ファッションがもっと民主的になっていくのは素晴らしいことだと思っています。快適で汎用性があり、一度着て終わりではない、持続可能なファッションを念頭に置いてデザインしています」。

そうファッションの民主化の素晴らしさについて語ったコースは、プレスプレビューでは若い世代に向け、来たる米大統領選挙に足を運ぶよう促していたのも印象的だった。

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