ジャンポール・ゴルチエは、9月27日に行う「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」2015年春夏コレクションを最後に、プレタポルテの発表を終了すると発表した。今後はオートクチュールとフレグランスに注力する。既存のオートクチュール・コレクション「ゴルチエ パリ(GAULTIER PARIS)」の規模拡大を図るとともに、コスチュームの制作やホテルなどのインテリアデザイン、他社とのコラボレーションを新しく手掛ける計画も明かした。
「私の想像力と実験的なクリエイションに臨むことが許される、オートクチュールにこそ幸せを見出している」と話すゴルチエは、デザインやスケジュール面での制約が増えたプレタポルテのありかたに不満を抱いていたようだ。「これからは存分に想像力を発揮できる」と、再び自由な発想でクリエイションにのぞむことができる喜びを表した。
「ジャンポール・ゴルチエ」の親会社プーチ・グループの、ファッション部門を率いるラルフ・トレダノ社長は「プレタポルテの終了により、ゴルチエは本来の得意分野であるクチュールに集中し、時間を掛けることができる」とコメントした。
「ゴルチエ パリ」がシーズンで約80人のクライアントを抱え黒字化が目前となり、11年に始まったジャンポール・ゴルチエ展も世界中で好評を博すなど、ゴルチエは今もカルト的人気を誇っている。しかし、メンズとウィメンズのプレタポルテの売り上げは振るわなかったという。今回の決定により、13年から「ジャンポール・ゴルチエ」のプレタポルテのライセンスを手掛けるイタリアのメーカー、ジボコー社との契約も終了となる。