イオングループの商業施設オーパ(OPA)は、廃棄物から水素エネルギーを生み出すプロジェクトを推進するスタートアップ企業BIOTECWORKS-H2とパートナーシップ契約を締結した。17日には横浜ビブレ前で両社社長が出席してのパートナーシップ締結式を行なった。
オーパはこれまで、服飾系専門学校・大学の学生や各リサイクル企業との連携により、回収した衣料品を再使用・再流通させる仕組みづくりに取り組んできた。今回のパートナーシップにより、これまでのリユース・リサイクルに加えて水素エネルギーとして活用する可能性を探る。
29日までのイベント期間中は、横浜ビブレ、新百合ヶ丘オーパ、三宮オーパ(21日から開催)の3店舗に体験型衣料品回収ボックスを設置。衣料品を持ち込むと、どのように水素として生まれ変わりエネルギーが生成されるかをその場でモニターに表示する。
BIOTECWORKS-H2は2023年から“ゴミから水素へ”をテーマに、廃棄物のほとんどを再生可能エネルギーである水素エネルギーに変換する「REBORN by BIOTECHWORKS H-2(ごみZEROプロジェクト)」に取り組んでおり、2025年には大阪にプラント建設開始を見込んでいる。今回回収した衣料品はオーパが産学連携企画などに活用したのち、リユース・リサイクルが難しいものを対象にBIOTECWORKS-H2とのプロジェクトに活用する。
記者会見に出席した渡邊祐子オーパ社長は提携について、「ファッション産業は環境問題において課題が多いと言われる中、ロスを削減しつつ、ワクワクするファッションをいかに提供できるかと模索してきた。回収した衣料は利活用し、やむを得ず廃棄する服はエネルギーに変えることで、お客さまには、罪悪感なくファッションを楽しんでもらいたい」と語った。西川明秀BIOTECWORKS-H2代表取締役は、「ファッションは悪じゃない。サステナブルは我慢ではない。捨てるはずのものをエネルギーに変えて、循環させるこの仕組みは“好き”を楽しみに変える方法だ」と話している。
会見後は、近隣のファッションスクールなどから集まった学生たちが回収ボックスへの投入を体験。続いて、オーパのZ世代社員で構成するオーパ若者トレンド研究会のメンバーが西川代表取締役とのトークに臨んだ。佐藤淳紀さんは同研究会のメンバーとなり「素材や生産場所を意識するようになった」と語り、安達史花さんは「環境配慮型素材の説明などを下げ札などで伝えているブランドは好感度があがる。そもそも古着を買うようにしている」などファッションの購買時に意識について語った。