エドウインの小林道和・前専務が12月17日、肝臓がんのため療養中の都内病院で亡くなった。62歳だった。通夜と葬儀は親族のみで執り行い、「お別れの会」を2015年1月に開く予定だ。
1974年に入社以来、一貫して企画・生産部門でリーダーシップを発揮し、「エドウイン」を世界的なジーンズブランドへと押し上げた立役者だった。70年代後半にストーンウォッシュの技術を確立し、国内トップメーカーになる礎を築いた。80年代初頭には欧州で「ロンドンスリム」「ニュートンスリム」を大ヒットさせ、海外市場における日本製ジーンズの高評価の先鞭をつけた。また秋田県や青森県など15カ所に自社工場網を整備し、日本の技術を生かした新しいデニム素材や洗い加工の開発、生産性の高い縫製ラインを確立した手腕は、ファッション業界で高く評価されている。
長年の盟友であるカイハラの貝原良治・会長は「ジーンズのことなら、生地から洗い・仕上げ、縫製のことから、ミシンや洗い加工の機械のことまで精通した世界的に見ても稀有な人だった。日本では数少ない国際競争力のあるファッションアイテムであるメード・イン・ジャパンのジーンズを、あらゆる面から支えてきた。小林さんの遺志を引き継ぎたい」とコメントした。